京浜急行電鉄株式会社(京急電鉄)と株式会社サムライインキュベートが取り組むオープンイノベーションプログラム「KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM」のデモデイが2020年10月26日に開催された。
2020年6月にスタートアップ企業10社が採択され、京急グループの経営基盤を活用した実証実験を経てサービスインに至った事業アイデアもあるようだ。
今回のデモデイでは、7名の審査員とオンラインで参加した京急グループ社員に対し、各社が取り組みの進捗・成果などを発表。その結果「最優秀賞」と「優秀賞」、京急グループの社員の投票による「京急オーディエンス賞」が決定した。
W受賞のscheme vergeとは?
審査の結果、7名の審査員全員の合意によりscheme verge株式会社(以下、同社)が「最優秀賞」を受賞。同時に、「京急オーディエンス賞」にも選出され、W受賞となった。
同社は、既存のインフラ制約を超えて都市のアジャイル開発を推進することで都市のイノベーションを実現する企業だ。
現在、香川県・岡山県を中心としたエリアのアートスポット巡りをサポートするコンシェルジュアプリ「Horai」を運営中。「Horai」は、電車やバス、船の時間などを調べておすすめのスケジュールを提案し、実際に海上タクシーなどの予約・決済も可能なアプリだ。
scheme vergeの取り組み
今回の「最優秀賞」受賞の要因は、既存の観光コンテンツや取り組みとのシナジーを高く評価されたことにあるという。また、「京急オーディエンス賞」受賞の背景には「観光型MaaSのプラットフォームとして、今後中長期的に様々な可能性を期待できる」などの社員の印象があるようだ。
同社と京急電鉄は、神奈川県の三浦半島にて観光事業者や自治体、サポート企業など60団体で結成した「Cocoon Family」とともに観光型MaaS「三浦Cocoon」の提供を開始。
例えば「三浦半島まるごときっぷ」では、2日分の電車・バスの乗車券と約70店舗で使えるお食事券、約50店舗の施設・土産店で使えるチケットをセットで提供。きっぷを呈示すると新江ノ島水族館や神奈川県立近代美術館 葉山、東京湾フェリーなど30以上の施設での優待もうけられるようだ。
そのほか「ヘリで行く三浦半島の旅」や「京急とカーステイの三浦半島旅プラン」「江の島・裕次郎灯台周遊クルージング&ランチプラン」なども。
また、「三浦Cocoon」内では、タクシー配車アプリ「GO」やライドシェア「nearMe.」、レンタサイクル「逗子シェアサイクル(ダイチャリ)」、キャンピングカー「Carstay」などのサービスを案内し、よりスムーズで個人に合った移動スタイルを提案している。
「優秀賞」は4社!
「優秀賞」を受賞した4社の取り組みを簡単に紹介しよう。
リテール向けスペースのオンラインマーケットプレイスの企画・運営を手がける株式会社COUNTERWORKSは、ウィング高輪WESTに試験導入した可動式ポップアップ店舗にて10日間でマスク852枚を売り上げた。
先述のキャンピングカーの検索・予約・決済サービスを提供するCarstay株式会社は、「三浦×キャンピングカープラン」のサービスを開始。
株式会社JX通信社は、SNS上の京急沿線関連の情報を有効活用すべく広報部にサービスを導入している。また、鉄道・不動産事業部のサービスニーズの検証も行った。
株式会社シナスタジアは、VR・ARを活用した観光バスツアー構築のための技術検証を実施。今後は「KEIKYU OPEN TOP BUS 横浜」上でのVR・ARコンテンツの実証実験を予定しているようだ。
- Original:https://techable.jp/archives/141593
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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