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「STAYじゃなくてLIVE」今の日本でポジティブな意味での車上生活ははたして可能なのか!? 日本最大級のキャンピングカーの予約&車中泊のドライブスポットを紹介するCarstay宮下代表に聞きました。
- Carstay代表取締役宮下 晃樹 Koki Miyashita幼少時をロシアで過ごし、大学時代はアメリカへ。帰国後は監査法人、公認会計士を経て、来日外国人向けのガイド業をNPO法人として立ち上げる。2018年にCarstayを起業し、現在に至る。
クルマに住むという選択肢
コロナ禍だとアリなのでは!?
自粛明けからのGo To トラベル。全国各地の観光地では都市部からの観光客をもてなしつつも、郊外ではまだまだ「感染が心配」「時期早々」との声も聞こえる。目に見えないウイルスとの闘いは、何が正解でどれか不正解かは誰も分からない。まさに“新しい生活様式の変化”が求められている現在においては、ひとりひとりの考えが重要視されてくる。過ごし方、移動範囲、手段などを考えると、「いっそのこと、クルマに住めばいいじゃん。移動先でも自然の中にいれば濃厚接触も少ないだろうし」そんな言葉が聞こえてくるのも今のご時世ならでは。一見して突拍子もなくみえるが、あながちアリなのでは? と思う人も少なくはないだろう。それでも住むとなると住所や仕事など、分からないことばかり。本誌では、キャンピングカーオーナーと、キャンピングカーを借りたい人をマッチングさせる日本初のシェアリングサービス、Carstay(カーステイ)の代表、宮下晃樹さんにお話を伺った。なおこのCarstay、キャンピングカーを停める場所を貸したい人と、旅先での駐車(滞在)場所を探している人をつなげるサービスも行なっている。言わば「バンライフ」の仕掛け人。クルマに滞在する楽しさを得意とする会社だ。
不況で増えるバンライファーたち
それでも住むとなると話は別
「アメリカでは2008年に起こったリーマン・ショックのときにバンライフが流行しました。世界的な金融・経済危機から人々は暮らし方・働き方に疑問を持ち始め、あまりお金を使わなくても幸せになれる、心が豊かになれることを目指すようになりました。不況がきっかけなのは今のコロナ禍と似てますね」
宮下さんはリーマン・ショック以降、クルマに住むことはカルチャーとして、アメリカで定着したと語る。とくに20代、30代の若者にうけ、時間も場所も自由、社会にできるだけ縛られないようにする生き方が、バンライファー(バンライフする人たち)を生んだという。とはいえこれはアメリカでの話。日本では法律や税金、インフラなどの課題が多々残る。実際にトレーラーハウスは日本では車両とみなし、固定資産税等の対象ではない代わりに住所を置くことができず、社会的保証を受けることもできない。バンライフも同じで、クルマだけで住むことは住所不定者にならない限りまず不可能だ。
「税金」「教育」「世間の目」
車上生活はまだまだハードルが高い
「クルマに住むということには、まず住所の問題があります。住む場所があるということは、それゆえ税金が発生し、保険などの社会的保証が受けられるわけで、これを一切放棄することは現実的ではありません。次に教育。子供がいる家庭の場合、学校に通わせるためには通学区域の指定もあり住所が必要です。そして最後に世間の目。じつはこれが結構ハードルが高い。日本ではクルマで自由に生活していること自体がふらふらしているように見られがちで、長旅のようなレジャーならまだしも住むとなるとだいぶハートの強さが求められます」
実際に日本国内でバンライフを送る人たちのなかには、住所を実家やシェアハウスに設定している人もいるという。また、子供が生まれるまで夫婦ふたりで旅をしながら車上生活を送り、出産を期にクルマを降りた(家に戻った)というケースも。ここまではよくある話だが、最後の世間体に関する課題は非常に難しいと、宮下さんは分析する。一方で、「クルマの中で働けるかどうかって、すごい大きな要素を占めると思ってます」とも。この“働けるかどうか”が、今、変革の最中にある。
ワーケーションが当たり前に
クルマならひと通りできる!
旅先で仕事をしながら休暇も取るワーケーション。「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語で、リモートワークが当たり前になってきた新しい生活様式の現在では、珍しいことではなくなりつつある。宮下さんはここに注目し、自身のビジネスとも重ね合わせた。
「たしかに、クルマに住むということは現時点では現実的ではありません。ただし、自粛生活で体験したように、ひと息つく場所も必要です。その場所で生活も仕事もできるとしたら、それはもうワーケーション。バンライフが一気に広まるきっかけは、このワーケーションだと思っています。家とオフィス以外の第三の場所、移動できてデスクがあって、電源もWi-Fiもあれば…そう考えるとキャンピングカーでした」
確かにキャンピングカーならば、電気、ガス、水道等のインフラが整っており、Wi-Fiはテザリングや停泊施設の設備を使用すればOK。課題があるとしたらクルマをどうするか、停める場所はあるのかということ。ここで宮下さんのカーステイが役に立つというわけだ。
出番を待つキャンピングカー
それならば人に貸そうという発想
「国内には10万人以上ものキャンピングカーオーナーがいます。ですがキャンピングカーのほとんどが週末にしか使われておらず、車庫で眠っていることが非常に多い。それならば、オーナーさんが使わない時に人に貸せば。そういった個人の車両も貸し出しすることができるサービスを弊社で行なっています。言わばキャンピングカーのカーシェア、もしくはクルマ版、AirBnB。三井住友海上と新たに保険商品を開発し、キャンピングカーの貸し借りを可能にしました」
キャンピングカーオーナーにとっては眠らせている資産を活用できるチャンスで、借りる側にとってもレジャーはもちろん、ワーケーションやリモートワークなどで利用することができる。キャンピングカーならば移動時に人と接触することが電車や飛行機よりも少なく、それは宿泊地でも同じこと。言わば、新しい生活様式の変化(ニーズ)に合ったスタイルとも言える。また、宮下さんは目的地についてもCarstayのサービスを使用してほしいという。
「Carstayではクルマの手配のほかに、停泊場所のマッチングサービスも行なっています。キャンプ場だったりRVパークだったり、はたまた駐車場以上キャンプ場未満のような空き地だったり。全部で220箇所近くあり、旅のプランがワンストップで組めるのも強みです」
たしかにCarstayを使えば、キャンピングカーの旅やバンライフも決して難しくない。前述の通り、“クルマの住む”ということはまだ現実的ではないが、“クルマに滞在する”のは従来より簡単になった。お城など景勝地の駐車場や、廃校、廃倉庫などもCarstayの停泊地として登録されているというからおもしろい。
クルマに住めなくても
有事の際にはあるだけで役に立つ
時流に乗り、順風満帆そうに見えるCarstayだが、コロナで自粛を余儀なくされた4月には利用者がストップ。宮下社長も「キャンピングカーを誰に貸せばいいのか」相当悩んだという。そこで、医療機関にキャンピングカーを病床や休憩所として提供するプロジェクト「VAN SHELTER(バンシェルター)」をクラウドファンディングで開始。支援を募りつつ、キャンピングカーオーナーの協力を得て、56台を27の医療機関に届けた(9月末時点)。家に帰れない医療従事者たちはこれまで廊下の椅子で寝ることもあったが、キャンピングカーが来てからはベッドの上で休息を取ることができるようになった。
この取り組みは熊本県南部の豪雨被災地でも行なわれ、各自治体からの注目度も高い。宮下社長はこれらキャンピングカーの支援プロジェクトを振り返り、こう語る。
「海外での事例を調べてみると、医療従事者の休憩場所としてキャンピングカーが活用されていたニュースを目にしました。正直、国内であまり事例がなかったのでできるかどうか不安だったのですが、たまたま大学時代の友人が勤めている病院がコロナの感染症指定医療機関だったこともあり、協力を申し出たところ非常に喜ばれました。コロナ真っ最中の医療現場では、3ヶ月も家に帰れない医療従事者もいたそうです。クラウドファンディングと企業のサポート、自治体の支援もあり、多くの車両を提供することができました」
Carstayでは今後も自治体との取り組みを進め、有事の際のキャンピングカー提供を行なうという。レジャーとしてもワーケーションとしても、さらには緊急時のベースとしても有効。“クルマで休む”ことができるのも、キャンピングカーならではだ。
バンライフは自由!
どんなカタチがあってもOK!!
今回の取材では、Carstayの宮下社長のほかに、3人のバンライファーにも話を伺った。「本気でクルマに住めると思いますか?」という問いには三者三様の答えが返ってきた。「クルマには住まない、クルマは旅をする相棒だから」「住民票は実家で、実際にクルマで生活している。水が貴重、ゴミ出せないなど不便なことだらけだけどそれでいい。」「車中泊はいや。寝るなら日常と変わらぬトレーラー」など、バンライフはこうあるべきというカタチはなく、人それぞれ自由なスタイルがある。
かつて、2008年のリーマン・ショックの時に、お金をまったく使わずに1年間生活したイギリス人男性の本が話題になった。「ぼくはお金を使わずに生きることにした(マーク・ボイル著、紀伊國屋書店刊行」。彼の住まいはトレーラーハウス。もちろん、ガソリンを購入しないので動かない(動かさない)。また、大リーグMLBのデトロイト・タイガースに所属するダニエル・ノリス投手は、フォルクスワーゲンのバンにソーラーパネルやベッドを設置し生活しているという。ふたりとも自ら“クルマに住む”ことを選び、まわりの環境がそれを認めている。他人の視線が厳しくなりがちな日本では、到底考えられない話だ。いつしか日本でもバンライフが浸透し、クルマに住むということがポジティブな意味で受け入れられるようになれば、ユニークなスタイルやカルチャーが生まれるかもしれない。
- Original:https://www.digimonostation.jp/0000131472/
- Source:デジモノステーション
- Author:
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