Appleが世界最小・最軽量の5G対応スマートフォンとアピールするiPhone12 miniの詳細な分解レポートを、各種ガジェットの分解で知られるiFixitが公開しています。
米国モデルと欧州モデルの比較も
iFixitが公開したiPhone12 miniの分解レポートは、大きな筐体を持つiPhone12とほぼ同等の機能を小型のボディに詰め込むことができた秘密に迫るものとなっており、レポートは2部構成で公開されました。
なお、iFixitは、iPhone12/iPhone12 Pro、iPhone12 Pro Maxの分解動画も公開しています。
分解レポートは、ミリ波に対応した米国モデルと、ミリ波非対応の欧州モデルとの比較を織り交ぜながら進んでいます。
小型化のため、随所に工夫
iPhone12 miniのディスプレイも、iPhone12/iPhone12 Proと同様、右側から開く構造となっています。
iPhone12 miniとiPhone12を比較すると、本体の小型化のために以下の変更が加えられていることが分かります。
- ディスプレイケーブルが2本(iPhone12は3本)
- バッテリー容量は8.57Whで、iPhone12の10.78Whから約20%縮小
- Taptic EngineをiPhone12から約25%小型化
- スピーカーの小型化
- ディスプレイ用パーツの移設
- Face ID用TrueDepthカメラのパーツ配置の変更
カメラユニットは交換可能
デュアルカメラユニットには、iPhone12のようなスペーサーもなく、少しのスペースも無駄なく使い切る設計になっています。
なお、iPhone12 miniのカメラユニットは、Apple製の専用アプリなしに交換すると動作しなくなるiPhone12と違って、交換しても正常に動作したそうです。
MagSafe充電の12W制限はコイルの一部カットが原因?
X線写真で見ると、MagSafe用の充電コイルをiPhone12 miniのボディに収めるために、左右がカットされていることが分かります。
コイルのサイズが小さいことが、MagSafe充電器の出力がiPhone12 miniのみ12Wと、他3モデルの15Wより低速になっている理由かもしれません。
TrueDepthカメラにもミリ波アンテナ?
TrueDepthカメラ部分に並ぶ正方形のパーツは、米国モデルにあって欧州モデルにはなかったそうです。
iFixitは、詳細は不明だが、ミリ波アンテナの一種である可能性が考えられる、と推測しています。
米国モデルにはミリ波用パーツ搭載
L字型のロジックボードは米国モデル(写真上)と欧州モデル(写真下)でかなり似通っている、とiFixitは指摘しています。
ロジックボードには、以下のようなパーツが搭載されています。
- A14 Bionicチップ(Micron D9XMR 4GB LPDDR4 SDRAMに載せて配置)
- 超広帯域無線(UWB)通信用U1チップと思われる1UEDチップ
- STMicroelectronics製のワイヤレス充電チップ
- Kioxia製64GBのNANDフラッシュメモリ
- Qualcomm製5G・LTEトランシーバーチップ
米国モデルには、以下のようなパーツも搭載されていたそうです。
- 村田製作所のミリ波フロントエンドモジュール
- 村田製作所とSkyworksのダイバーシティフロントエンドモジュール
- Qualcomm製電源管理IC
- Avagoのパワーアンプ
小型化の実現に「驚き」、修理しやすさは6点
iPhone12 miniについてiFixitは、他のモデルと同様の構成で、部品を小型化することで本体の小型化を実現していることに「驚いた」とコメントしています。
修理のしやすさについては、ディスプレイとバッテリーなど主要部品が交換しやすくなっていることを加点する一方、背面のガラスが破損すると本体全体を交換しなくてはならないことを減点し、10点満点中6点と評価しています。
iFixitは、iPhone12 miniの分解の模様を収録した動画も公開しています。
Source:iFixit
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-330531/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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