EPA(米環境保護庁)はMustang Mach-E(マスタング・マッハ-E)に関する調査結果を発表したが、そこには良いニュースと悪いニュースが混在していた。モデルによって異なるが、EPAによれば、Mach-Eの走行距離は211マイル(約340km)から300マイル(約483km)の範囲に収まるとのこと。Mach-Eの走行距離はFord(フォード)が提示したものと一致しており、EPAがそれを認めた形になった。だがその一方で、この数値はライバルとなる他メーカーの車種をずいぶん下回るため、競争の激しい電気自動車市場では劣勢になるという問題がある。Fordは9月にMach-Eを値下げしている。
Mach-Eには、標準レンジと延長レンジの2タイプのパワートレーンがある。どちらも、オプションでデュアルモーターの全輪駆動仕様が選べる。延長レンジでは、走行距離が60〜70マイル(約70〜113km)延長される。このオプションを選択すれば、全輪駆動仕様で270マイル(約435km)、後輪駆動仕様で300マイル(約483km)走れるようになる。標準レンジでは、全輪駆動仕様が211マイル(約340km)、後輪駆動仕様が230マイル(約370km)だ。
これらの数値は、フォードがMach-Eで目標にしていたものとほぼ一致しており、同メーカーの技術力を向上が伺える。
だが、後輪駆動モデルの300マイルという最高の値ですら、Mach-EはTesla(テスラ)Model 3の走行距離を大きく下回る。Mustang Mach-Eと同等の価格でありながら、Model 3は400マイル(約644km)走ることができる。Mach-Eにより近いライバルとなるModel Yも、やはり走行距離で秀でている。デュアルモーターで全輪駆動というこのTeslaのクロスオーバーモデルは、同じ仕様のMach-Eの270マイル(約435km)に対して、最大走行距離が326マイル(約525km)と長い。
Mustang Mach-Eはフォード初となる主力電気自動車だ。予約していた人たちには12月から納車が開始される。この車両は、ますます競争が激しくなる分野に投入されようとしている。TeslaとともにMustang Mach-Eは、夢のようなPolestar(ポールスター)2やAudi(アウディ)の車種を増やしつつある電気自動車ラインアップ、Kia(起亜)やHyndai(現代)のお手頃なクロスオーバーなどと対抗して販売を伸ばさなければならない。あるものはこの同社初の電気自動車よりも走行距離が長く、あるものは価格が安い。
Mustang Mach-Eは、フォードによる電気自動車の最初の提案に過ぎない。走行距離がマーケットリーダーよりも劣ることは、同社も承知していたはずだ。目標は、楽しくて手頃な価格のフォード製電気自動車の「馬小屋」を立ち上げることのようだ。だとすれば、走行距離は短いものの、Mach-Eはその役割を果たしている。
関連記事
・フォードがオール電化SUVのMustang Mach-Eの価格を約30万円引き下げ、完全な競争力維持狙う
・フォードがテスラの挑発に乗り1400馬力のEVマスタングMach-Eを発表
カテゴリー:モビリティ
タグ:Ford、電気自動車、Mustang Mach-E
画像クレジット:Ford
[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/11/25/2020-11-23-the-epa-says-the-ford-mustang-mach-es-electric-range-is-a-lackluster-211-300-miles/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Matt Burns
Amazonベストセラー
Now loading...