コレクションを手がけたのは、同じくアメリカを代表するブローバ
ブローバの創業は1875年。ジョセフ・ブローバがニューヨーク・マンハッタンのメイデン・レーンに宝飾店「J.ブローバ」を開業したのが、その始まりだ。このジョセフ・ブローバ、熟練の技術者であり発明家でもあったという。そんな彼に時計製造を提案したのが、1909年に従業員となったジョン・バラード。この提案によって1911年に時計の製造を本格始動させ、翌1912年にはスイス・ビエンヌに工場を設立。「量より品質、生産より完璧性」をフィロソフィーとし、安定した製品クオリティの維持に努めたことで、ブローバは急成長を遂げていく。
1919年に男性用宝飾時計のフルラインを発表して以降、1927年にチャールズ・A・リンドバーグの大西洋単独無着陸飛行を讃えた「ローン・イーグル」、翌1928年には世界初のクロックラジオをリリース。第二次世界大戦時には米軍に軍用時計を納入するなど、時計メーカーとして数々の実績を積み上げていくが、なかでもブローバを代表するのが、1960年に発表された世界初の音叉式電子時計「アキュトロン」だ。ちなみに2020年には、この画期的な時計を生み出したブローバのDNAを受け継いだ新ブランド、アキュトロンから、静電誘導技術を用いた「アキュトロン スペースビュー 2020」が発表されたが、その詳細についてはこちらの記事を参照してほしい。
シナトラの歌声を想起させる優雅なデザイン
さて、このブローバ、時計の製造技術もさることながら、プロモーションにも長けていた。1926年、アメリカで時計メーカー初となるラジオCMを展開し、1941年には世界初のテレビCMを放送。そして1950年代、当時アメリカで絶大な人気を誇っていたテレビ番組「フランク・シナトラ・アワー」のスポンサーをも務めていたのだ。また現在、ブローバは、ザ・レコーディング・アカデミーやレコーディング芸術科学ラテン・アカデミーといった組織とパートナーシップを締結している。こうした、音楽カルチャーとの関係も含めて実現したのが「フランク・シナトラ コレクション」だ。
ブローバ
フランク・シナトラ コレクション “Young At Heart”
各8万1400円
同コレクションは、2シリーズ計5モデルがラインナップされ、いずれもシナトラの代表曲からシリーズ名が付けられている。ひとつが「Young At Heart(ヤング・アット・ハート)」で、これはジョニー・リチャーズ作曲、キャロリン・レイ作詞による1953年のミリオンセラー・ナンバー(翌1954年にはビルボードのチャートで2位を獲得)からネーミングされたモデル。イエローゴールドPVDを施したエレガントなトノー型ケースを採用し、このバラードの雰囲気に合うデザインに仕上げている。
もうひとつが「The Best Is Yet To Come(ベスト・イズ・イェット・トゥ・カム)」。サイ・コールマン作曲、キャロリン・レイ作詞によるジャズ・ナンバーで、1964年発表のアルバム『It Might as Well Be Swing』に収録されている。このタイトルが付けられた時計は直径40mmのラウンドケースを採用し、ダイアルには二重線による格子模様を施した洒落たデザイン。ちなみにこのナンバーはシナトラが公の場で歌った最後の曲で、“The Best Is Yet To Come(=最高のときはこれから)”の言葉は、彼の墓石にも刻まれている。
ブローバ
フランク・シナトラ コレクション “The Best is Yet To Come”
各10万7800円(左・中)
11万4400円(右)
コレクションに共通しているのは、ダイアルに配されたシナトラのトレードマークであるフェデラーハットのシルエットと彼のサイン。いずれのモデルも、シンプルななかにさりげないアクセントが施され、上品な歌声と数々の美しいナンバーを遺したシナトラにふさわしい仕上がりとなっている。
問 ブローバ相談室●0570-03-1390
https://bulova.jp/
- Original:https://www.digimonostation.jp/0000131151/
- Source:デジモノステーション
- Author:竹石祐三
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