イマクリエイト株式会社と株式会社神鋼エンジニアリング&メンテナンスは、VRを活用した溶接業向けサービス「ナップ溶接トレーニング」を共同開発。株式会社神戸製鋼所溶接事業部門との連携により、12月4日から共同販売を開始した。
ちなみに、イマクリエイトはVR物理トレーニングアプリ「Can Golf」や、矢印や3DCGなどのデジタル情報を表示してマニュアルを直感的に理解できる「バーチャルマニュアル」など、XRを駆使した革新的なサービスを展開中だ。
溶接研修の課題
一般的な溶接技術の研修では、実際に熟練者の技術を目視して研修生が訓練を重ねていく。しかし、強い光を発する溶接現場で熟練者の手元をはっきりと見ることは難しいという課題があった。また、決められた時間や場所で行う必要があったり、母材や溶接棒などの消耗品を交換する必要があったりと自由度やコスト面でも課題を抱えていたという。
そこで両社は、カラダの動きをデータ化するイマクリエイトの技術「ナップ」を活用した「ナップ溶接トレーニング」を開発。これにより、従来より効率的で時間・場所の制限なく、なおかつコストを抑えた研修を行うことができるようになる。
はっきりと可視化する機能を実装
同サービスは、「ナップ」を活用して溶接熟練者の動きを3Dモデルを使って可視化し、より感覚的な溶接技術の習得を実現していく。
便利な機能として、溶接時に発生する強い光のオン・オフ設定がある。光をオフにして熟練者の溶接作業を見ることができるため、現実では難しかった手元の動きを目視できるようになるようだ。研修生の熟練度にあわせて光をオンにすることで、より現場に近い環境での研修ができるようになるという。
また、実際の溶接時には、顔や体を溶接部分に近づけて作業するため、後方から見ているだけでは、細部の把握は難しかった。そこで同サービスでは、作業者の頭や体を非表示にしてお手本となるトーチの動きだけを可視化できる機能を実装。熟練者の視点を体験することで正しい動きを習得しやすくなるようだ。
さらに、研修生の作業の様子を録画できる機能もあり、熟練者は後からでも研修生の改善点などを確認・指摘することができる。もちろん、研修生の作業においても光をオフにすることができるので、従来よりも鮮明な手元確認が可能となるだろう。
そして、時間・場所の制約なしで研修をうけられることや消耗品の交換が不要であること、安全に実施できることなど、これまでの溶接研修の課題を一気に解決。人手不足の解消や非接触などに貢献する画期的なサービスといえるだろう。
- Original:https://techable.jp/archives/143905
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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