放射線をブロックするファラデーケージより便利な木綿生地をドレクセル大学が開発

毎日浴びる放射線の量を少なくしたいからといって5Gの陰謀説に与する必要はない。放射線をブロックする方法のひとつがファラデーケージだが、通常は金属メッシュなので毎日使うのは困難だ。ィラデルフィアのDrexel University(ドレクセル大学)の研究者は、一般的の木綿生地にMXene(マキシン)と呼ばれる化合物を滲み込ませることによって、ファラデーファブリックを作ることに成功した。アルミ箔の帽子を愛用している人も、これからは毎日の生活がとても快適になるだろう。

ファラデーケージが有効なのは、一部の金属が高周波をブロックするからだが、波長が長いので金属は剛体でなくてもよい。しっかりしたケージや曲げられるメッシュでよい。測定を妨害されないために、このような素材を壁に張っている建物も少なくないが、しかし最近ではSilent Pocketなどの企業が、デバイスを外部の信号から完全に隔離するバッグやケースに金属のメッシュを組み込んでいる。

でもそれは一種の偏執症に近い。高周波の放射は、我々が日常触れる量と周波数では無害だし、デバイスがその閾値を超えないことをFCCが認定している。可能性としてあるのは、スマートフォンやラップトップをうっかり一般公開のWi-Fiに接続して、そのMAC番号を他のテバイスに読まれたり、良からぬ環境で対話をしたりすることだ。それに率直に言って、今や大量のデバイスが電波を放出しているから用心のために被曝量を少しでも減らしたいと思うのも当然だ。

その用心も、今後はもっと楽にできるだろう。ドレクセル大学ナノ素材研究所の所長Yury Gogotsi(ユーリー・ゴゴッツ)氏と彼のチームは、一般的な織物を金属性の化合物でコーティングしてファラデーケージの効果を得る方法を考案した。柔軟性と耐久性があり、洗濯もできる。

彼らがMXeneと呼ぶその素材は、単一の化合物ではなくて化合物の種類を指し、さまざまタイプと用途がある。ゴゴッツ氏のチームは、マキシンを扱った研究論文をすでに数十件発表しており、これはその最新の応用研究だ。

ゴゴッツ氏はニュースリリースで 「MXeneが電磁波の妨害をブロックすることは前から知っていたが、今回の発見はそれを織物に吸着させてそのユニークな遮断能力を維持できることを示した」。その織物を、このビデオで実際に見ることができる。

MXeneは伝導性のある金属と炭素の化合物で、剛体、液体、噴霧など、いろんな形状にできる。今回は液体で、MXeneの小さな破片の溶液をとても容易に織物に吸着でき、ファラデー効果を作り出して、テストではRF放射の99.9%をブロックした。研究室の引き出しの中などに2年間忘れて放置されても、効果の90%を維持し、MXene処理後の織物は洗ってもこすっても無事だ。

このMXene浸透織物で服を作りたい人はいないかもしれないが、高周波をブロックするポケットをジャケットやジーンズに付けたり、この素材でラップトップバッグを作っても、見た目に違和感はないだろう。もちろん陰謀説の信者たちの間では、この素材で帽子や下着を作ることが流行するだろう。

それらが店頭に並ぶのはまだ先でも、商用化に関してはゴゴッツ氏は楽観的だ。素材と使い方に関しては、ドレクセル大学に複数の特許がある。MXeneを織物に浸すという方法で、衣類にエネルギーの生産と保存をさせることも可能だ。

このようなMXeneの独特の応用については、Carbonに詳しい記事がある。

カテゴリー:ヘルステック
ファラデーケージ、ドレクセル大学、MXene

画像クレジット: Drexel University

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa


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