発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するスタートアップ「DAIZ」は12月14日、味の素と資本業務提携を行ったと発表した。
タンパク質危機と「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)を背景に、植物肉の需要拡大が見込まれている。植物肉のさらなる市場拡大に向けて、DAIZの生産技術を駆使した植物肉原料「ミラクルミート」に、味の素の「おいしさ設計技術」を用いたソリューションによる次世代植物肉原料の実現に向けて協業する。国内外の植物肉開発企業に対する植物肉原料の供給を通じて、一般消費者へ植物肉を食す文化の浸透を目指す。
味の素は、DAIZの発芽丸大豆を使用した独自の素材に、同社の「おいしさ設計技術」を活用してソリューション提案を行うことで、さらなる市場拡大とプラントベースドミート(Plant Based Meat。代替肉・植物肉)の普及を目指す。「おいしさと健康価値を両立したPBM」をより多くの加工食品メーカーや外食店のメニューを通して生活者に届けることで、食資源代替による地球環境保護と、おいしくて健康的な食生活に貢献する。
味の素は業務用顧客と一緒に、生活者の「健康な食生活」を支えると同時に、地球環境に配慮した「食資源有効活用」に取り組んでいます。取り組みの一環として味の素のスペシャリティ技術を活用したソリューション提案を行い、PBMの普及に努めるとした。
DAIZの植物肉は、原料に丸大豆を採用。オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みをなくし、異風味を低減した。また独自の発芽技術によって、これまでの課題を解決する植物肉の開発に成功した。
また、味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」(特許第5722518号)で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大。発芽大豆は、水を加えながら高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌などを行うエクストルーダー(押出成形機)にかけ、膨化成形技術により肉のような弾力・食感を再現している。これらの独自技術により、異風味を低減した植物肉(ミラクルミート)を製造しているという。
発芽タンクを用いた独自の製造プロセスにより、原価低減を実現し、牛肉・豚肉・鶏肉に対し、価格競争力があるとしている。
またDAIZは、植物肉は畜産に代わる「次世代のお肉」にあたり、温室効果ガスの排出を抑える効果の高い植物性食品と位置付け。地球温暖化を防ぐため今からでもできることは、なるべく地球にやさしい植物肉を食生活に少しずつ取り入れることとしている。牛・豚・鶏に次ぐ、「植物肉」の普及を通じて、DAIZはサスティナブルな世界を目指すという。
国連で採択されたSDGsに対し、DAIZは地球温暖化の解決に寄与する植物肉を普及させることで、目標達成に向けて貢献する。
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カテゴリー:フードテック
タグ:味の素、SDGs(用語)、食品(用語)、代替肉(用語)、DAIZ(企業)日本(国・地域)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/12/15/daiz-ajinomoto/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Takashi Higa