近年は、ソフトウェアのソースコードの複雑さが増し、保守性が低下している、いわゆる「ビッグコード」問題が指摘されている。そこで、Sourcegraphが提供するのは、コードの検索や変更時の影響評価などを通して、開発者を支援するツールだ。
コードの複雑さが増し、管理が困難に
「ビッグコード」とはシステム開発プロジェクトにおいて、扱うソースコードの分量や多様さが爆発的に増加する状況を指す概念である。近年は、あらゆるサービスや企業内システム、IoT機器などで、膨大なコードが実行されるようになり、そのプログラミング言語、開発環境、ツールを管理する必要に迫られている。
このような状況では、ひとつの変更が他の箇所で問題を引き起こすリスクがあるので、素早い製品リリースと安定した稼働を両立させるのが困難だ。そのため、コードの複雑さがビジネス上の成果に影響を与えていることが認識されている。
そこで、Sourcegraphはソースコードを検索・分析するツールを提供してきた。例えば、開発者が特定の関数やサービスを理解するのを助ける、一つの変更が他に与える影響を知る、あるいは、特定のタスクに適したライブラリを見つける、といった使い方が考えられる。コード管理を容易にし、ビッグコード問題への解決策として期待されているのだ。
コードの検索・分析機能で開発者を支援
FacebookやGoogleといった企業は自社内でコード検索・分析ツールを内製していると言われるが、多くの企業にとっては、社内のリソースを用いるよりも、Sourcegraphを利用する方が工数を削減できるだろう。実際、Amazon、Uberといった企業が同社の顧客として知られている。
2020年12月にはセコイアキャピタルから5000万ドルの資金を調達した。投資家からの期待を集めているのは、あらゆる業界でソフトウェアが重要な役割を果たすようになった現代で、Sourcegraphのツールが多くの企業に利用される可能性があるからだ。開発ツールの業界動向を見ると、GitHubやDockerといった企業がIPOを果たしたり、大企業から買収されたりする中、Sourcegraphは次に成長する企業として期待が集まっている。
- Original:https://techable.jp/archives/144019
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:佐藤隆之
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