株式会社Synspective(以下、Synspective)は、同社初の実証衛星である小型SAR衛星「StriX-α」の軌道投入に成功。今後、数か月にわたって機能検証を行っていく。
従来の大型SAR衛星と比べて、軽量化・低コスト化を実現
2018年に設立されたSynspectiveは、内閣府の革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」における成果を応用し、独自の小型SAR衛星の開発を進めている。
「SAR」は「Synthetic Aperture Radar」の略語で、日本語では「合成開口レーダー」と訳される。同レーダーを搭載したSAR衛星は、電波の一種であるマイクロ波を使って地表面を観測する。雲の下にある地表面を観測可能なことに加え、昼夜問わず観測を行えることが特徴だ。
Synspectiveが手がける小型SAR衛星「StriX」の重量は100kg級で、従来の大型SAR衛星の約10分の1。また、開発と打ち上げにかかる費用も、大型SAR衛星の約20分の1だという。
「StriX-α」に続いて「StriX-β」も打ち上げ予定
Synspective初の実証機「StriX-α」が打ち上げられたのは、今月15日の19時9分(日本時間)。ニュージーランドのマヒア半島にある発射場から、米Rocket Lab社のElectronロケットによって打ち上げられた。打ち上げ日のオンラインイベントの様子がYouTubeで公開されているため、興味を持った方は要チェックだ。
今回の「StriX-α」に続いて、次の実証機「StriX-β」が来年に打ち上げられる予定。Synspectiveは、2022年までに商用機4機を軌道上へ打ち上げるとしている。最終的には30機のコンステレーション(衛星群)を構築し、広範囲・高頻度で地上観測を行えるシステムの実現を目指すとのことだ。
(文・早川あさひ)
- Original:https://techable.jp/archives/144776
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:早川あさひ
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