無骨かつ洗練された大人にこそ相応しい2020年のミリタリーウォッチ5選

【2020年注目ジャンル総まとめ】

男性用の腕時計は戦場で磨かれた。視認性に優れ、精度が高く、壊れにくく、しかも全兵士に支給するために安価である必要があったミリタリーウォッチは、まさに腕時計に求められる全ての要素を備えていた。だから今でもミリタリーウォッチはメンズウォッチの主流派であり続けており、過去のデザインを復刻した“本物感”にあふれるモデルの人気は高い。

しかしその一方で、ミリタリーアイテムが持っている機能性やヘビーデューティといった世界観も魅力的であり、そういったエッセンスを取り入れた、“血のにおいがしない”ミリタリースタイルの時計もどんどん増えている。

ミリタリーウォッチは男の時計だ。しかしだからこそ、男臭くなり過ぎないように、綺麗目のニットなどにサラリと合わせるのが、今年っぽいこなし方になる。

■洗練を極めたミリタリーウォッチ

ベル&ロス
「BR V2-92 ミリタリー グリーン」
価格:37万4000円

▲自動巻き、SSケース、ケース径41mm

1994年に創業した「ベル&ロス」は、ミリタリーのエッセンスを巧みに取り入れたデザインを得意にしている。計器のようなダイヤルデザインや優れた防水性など、時計自体の作りは精悍で頑強なのだが、どこか洒脱に見えるのは、パリ生まれのブランドだからだろうか。

このモデルはダイヤルやストラップをカーキ色でまとめており、ファッション的にも楽しめる時計に仕上げている。4時と5時の間にセットしたカレンダーのディスクも同系色にまとめており、細部まで細やかな作り込みに好感がもてる。

■ミリタリーウォッチの進化版

ハミルトン
「カーキ ネイビー ビロウゼロ チタニウムオート」
価格:21万4500円

▲自動巻き、Ti(ブラックPVD)ケース、ケース径46mm

ハミルトンといえば、アメリカ軍などに時計を提供していたミリタリーウォッチの代名詞的ブランドであり、当時のスタイルを継承する「カーキ」シリーズは今でも高い人気を誇る。しかしその一方で、モダンにアップデートしたタフウォッチも話題だ。

こちらは、大ヒット映画『TENET(テネット)』の劇中にも登場したタフウォッチ(劇中モデルは特別に製作されたデジアナ仕様)で、ガッチリとしたケースや1000m防水のハイスペックを備える。ダイヤルもインデックスも針も黒いが、微妙にトーンを変えているので、時刻の読み取りは可能だ。

■ボンドの愛用時計。その最新作

オメガ
「シーマスター ダイバー300M 007エディション」
価格:108万9000円

▲自動巻き、Tiケース、ケース径42mm

凄腕スパイのジェームズ・ボンドは、軍人でもある。彼がミリタリーウォッチを所有するならどういうモデルか? とういう想像から開発が始まったのがこのモデルで、主演のダニエル・クレイグも参加。

完成したモデルはシーマスター ダイバー300Mをベースにしつつ、インデックスなどはトロピカルブラウン色で経年変化した雰囲気を加え、6時位置にはイギリス軍の装備品であることを示すブロードアローが入る。しかも軽くて使いやすいように、ケースとブレスレットの素材にチタンを採用している。

■ドイツ的ミリタリーウォッチ

SINN
「556.I.RS」
価格:22万円

▲自動巻き、SSケース、ケース径38.5mm

ドイツを代表する時計ブランド「ジン」は、元ドイツ空軍パイロットだったヘルムート・ジンが創業した。そのため道具のようなカチッとした力強さがあり、特に男性人気が高い。このモデルはコックピットクロックをイメージしており、時分秒針とカレンダーのみを簡潔にデザインしているので、必要な情報のみが目に飛び込んでくる。

ケース径は38.5㎜とやや小ぶりなのも高評価。華美な雰囲気は皆無であり、ひたすらストイックな姿勢が、逆に新鮮に見えてくる。

■ファッション文脈で楽しむ時計

ウブロ
「ビッグバン・カモ ヨウジヤマモト」
価格:266万2000円

▲世界限定200本、自動巻き、セラミックケース、ケース径45mm。完売

ミリタリーアイテムの機能美は、ファッションにも取り入れられることが多い。世界的ファッションブランド「ヨウジヤマモト」ではカモフラ―ジュ柄を好んで使っているが、そのエッセンスがウブロの時計と融合した。

既に完売しているこの限定モデルは、マットブラック仕上げのタフなセラミックケースをベースに、ダイヤルやストラップにカモフラージュ柄をあしらっており、ファッショナブルなミリタリースタイルを提案。6時位置にはさりげなくヨウジヤマモトのブランドロゴが入り、満足度の高い仕上がりになっている。

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<文/篠田哲生>

篠田哲生|男性誌の編集者を経て独立。コンプリケーションウォッチからカジュアルモデルまで、多彩なジャンルに造詣が深く、専門誌からファッション誌まで幅広い媒体で執筆。時計学校を修了した実践派でもあり、時計関連の講演も行う。

 

 

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