パンデミックによりほとんどの時間を1カ所で過ごすことを余儀なくされているにもかかわらず、不動産テックは好調だ。それも米国でだけではない。
Dongnae(トンネ)は韓国の不動産賃貸・売買マーケットのデジタル化に挑んでいる。同社は410万ドル(約4億2000万円)のシードラウンドのクローズを発表した。本ラウンドはFlybridgeとMetaPropがリードし、Goodwater CapitalやMaple VC、そして韓国と米国のさまざまな戦略的エンジェル投資家が参加した。今回のラウンドによりDongnaehの累計調達額は480万ドル(約5億円)になる。
Dongnaeは韓国生まれ、ニュージャージー育ちのMatthew Shampine(マシュー・シャンパイン)氏によって設立された。WeWork Labsを運営しながら、シャンパイン氏はアジア、特にコワーキング大企業の部門を設立するために韓国に駐在した。何回も転居し、同氏はかなり細分化された韓国の不動産マーケットに巨大な穴を見つけた。
Dongnaeは米国のRedfin(レッドフィン)にかなり似ている。買い手と借り手に新しい家探しのための集約された場所を提供している。現在、Dongnaeは韓国初の真のMLS(不動産情報システム)を構築するために同国の何千ものブローカーと提携していて、買い手側または借り手側にのみ物件を表示する。
いくつか重要な事情がある。韓国の不動産マーケットは米国のものと大きく異なる。まず、ほとんどの建物の1階には小売スペースがあり、建物にはそれぞれブローカーが付いている。つまり、限られた数の不動産だけを扱う何千人ものブローカーが韓国には存在することを意味する。実際、韓国よりもかなり人口の多い米国と同じだけのブローカーが韓国にはいる、とシャンパイン氏は話す。
2つめに、ブローカー業界全体が細分化されているために、取り扱い可能な全物件をまとめている真のMLS(マルティプルリスティングサービス)が韓国には存在しないことだ。借り手や買い手は何十人ものブローカーにあたらなければならず、通常オンラインで写真を閲覧するのではなく、実際に物件を見に行かなければならない。このシステムではブローカーが往々にして買い手・借り手サイドと売り手サイド両方の代理人を務めることになり、つまり買い手側にとって一番良い状態で交渉することにはならない。
Dongnaeは扱われている全物件を1カ所に集約するのにブローカーと提携していて、物件をブラウズできるインターフェースを買い手や借り手に提供している。実際、DongnaeではTinderのようなエクスペリエンスとなる。理想とする物件、最終的にぴったりとくる物件を探すために左右にスワイプできる。
Airbnbと違ってDongnaeは煩雑な作業をこなしている。4Kの写真を撮り、各写真にデジタルウォーターマークを入れ、それをブローカーに渡したりしながら各物件のデジタル一覧を構築し、Dongnaeに掲載している。
「必ずしもフランチャイズではなく、かなり提携に近いものです」とシャンパイン氏は話した。
Dongnaeは、他のブローカー同様に買い手側から手数料を徴収することで収益を上げている。韓国では手数料は約8%だ。Dongnaeのチームは25人で、男女の割合はほぼ半々とかなり多様性がある。
カテゴリー:その他
タグ:Dongnae、韓国、不動産テック、資金調達
画像クレジット:Dongnae
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(翻訳:Mizoguchi)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/12/30/2020-12-29-dongnae-raises-4-1-million-to-digitize-real-estate-in-south-korea/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Jordan Crook
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