Amazon(アマゾン)はコンピュータサイエンスプログラムのFuture Engineerを世界第2位のインターネット市場であるインドに拡大する計画で、インドの教育分野に対する同社の関心の高まりがうかがえる。
アマゾンの人材募集記事によると、教育が行き届いていない子供や若者にコンピュータサイエンスを教えることを目的としたAmazon Future Engineerに関するインドでの初期調査が「現在進行中」で、採用されると地元の非営利団体や政府と連携して業務にあたることになるという。
アマゾンは人材募集ぺージの中で、このプログラムをインドで2021年に開始する予定だと述べている。同社が米国時間12月28日に発表したプレスリリースによると、Amazon Future Engineerは現在米国で提供されており、5000校、55万人以上がこのコンピュータサイエンスコースで学んでいるという。
アマゾンは人材募集に記載した業務内容の中で「Amazon Indiaは教育が行き届かず恵まれないコミュニティの子供や若者がより良い未来を築けるようサポートすることに特に注目しています」と述べている。同社にコメントを求めたがまだ回答は得られていない。
これまでにインドで65億ドル(約6700億円)以上を投資しているアマゾンはここ数年、同国の教育分野を探ってきた。2019年にはインドの一流テクノロジー研究機関に応募したい学生を支援するアプリ「JEE Ready」を公開した。JEE Readyはその後Amazon Academyとリブランドされ、無料のオンラインクラスを提供し模擬テストで学生の成績を分析している。
インドでは2億6000万人以上の子供が学校に通い、国民の多くは経済発展と生活の向上のために教育が重要であると考えている。このようなインドで成長を続ける教育市場に注目している米国企業はアマゾンだけではない。
2020年7月にはFacebook(フェイスブック)が、インドの私立および公立学校の教育を監督する政府機関である中等教育中央委員会(CBSE、Central Board of Secondary Education)と提携して、デジタルの安全性とオンライン上の健全な活動、拡張現実(AR)を生徒や教員に教える認定カリキュラムを開始した。
フェイスブックは2020年、バンガロールを拠点にオンライン学習クラスを提供するスタートアップのUnacademyにも投資した(未訳記事)。Google(グーグル)は2020年にEdTechスタートアップのCuemathに投資した(Entrackr記事)ほか、インドにおける教育体験をデジタル化するためにCBSEと連携して同国の100万人以上の教員をトレーニングし、G Suite for Education、Google Classroom、YouTubeなどのさまざまなツールを無償で提供している。
Microsoft(マイクロソフト)もインド政府のほかNational Skill Development Corporation(Microsoftリリース)やNasscom(Microsoftリリース)といった団体と協力して、100万人以上の人々のスキル向上を支援している。
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カテゴリー:EdTech
タグ:インド、Amazon
画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images
[原文へ]
(翻訳:Kaori Koyama)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/12/31/2020-12-30-amazon-computer-science-education-program-future-engineer-in-india/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Manish Singh
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