冷凍庫の需要が高まっているそうです。なるべく買い出しに出かける回数を控えるようになったり、通販でまとめて購入することが増えた結果、冷凍食品や冷凍保存のニーズが高まっているからなのだとか。
そもそも、日本人の一般的な家の台所にあるサイズの冷蔵庫って、「冷凍スペース」キャパがどれも少ないんですよね…。
たとえば我が家の場合、その時期に釣れる美味しい魚を全力で釣りに行き、たくさんストックを作ったり、畑の幸と物々交換などしたりする、準狩猟採集保存生活です。かつ、年中キャンプなんかも楽しんでいるので、コストコでキャンプ用のカタマリ肉を特売時に購入しておいて、がっつりと冷凍保存しています。そんな我が家にとって、この「冷凍庫キャパ少ない問題」は、ここ数年とても深刻でした…。
冷蔵庫の引き出し型冷凍スペースは、常時キツキツ。閉まるか閉まらないかの瀬戸際状態です。子ども用のアイスキャンディーはその隙間を縫って詰め込まれて、たまに圧力でガリガリ君が真っ二つに折れてしまうなんて悲劇も…。というわけで、お魚保存用に専用冷蔵庫を設置してみたところ、どのように釣りライフが変わったのかレポートしていきます。
■キャッチ&イートの人は専用冷凍庫が必須!
そもそもこうなる原因として、長期冷凍保存用の食品がスペースを圧迫していることは明白。もう最近では、「わーい大漁だ!」と喜ぶ間もなく、納品先(我が家ではご近所にお配りすることをこう呼んでます)の素早い確保、そして自宅用の獲物たちの冷凍保存問題に頭を悩ませていました。
そんなわけで、このストレスフルな状態を解決するため、ついに我が家でも大型冷凍庫導入の是非が議論されはじめ、前向きな検討を始めます。
きっかけは、鮎釣り大好きな友人が、真空パックにして冷凍保存し、1年近く保存しても美味しく食べれる!というのを聞いたことでした。初夏に釣ったアユを、お正月に食べたり、冬キャンプの焚き火で焼いたりと、冷凍庫を活用して、時空を超えた食材活用をしていたんです。
■釣魚の冷凍で気を付けたい「冷凍焼け問題」
我が家の場合、海の幸だとイカ、タコ、マグロなどが定番の長期冷凍保存物件です。青物やタイ、ヒラメなどの美味しい白身なんかも短期間であれば冷凍保存しています。
これまではフリーザー用ジップロックなどに入れて、ストローで脱気して真空に近づけて、冷凍していました。また解凍時は氷水を使うなどで、極力ゆっくり解凍すると、旨味の詰まった液体「ドリップ」を控えめにして解凍でき、美味しく食べられます。この時に、一気に急速冷凍できる冷凍庫があると、このドリップが少なく済むので完璧なんです。
もうひとつ魚を冷凍する時に気を使うのが、“冷凍焼け”問題。冷凍焼けとは、長期間冷凍保存することで、食品内の水分が抜け、油脂が酸化して食感、風味が落ちてしまうことで、解凍してもパサパサしたり、変色していたりします。原因は乾燥と酸化です。
予防策は、食材を真空密閉することと、一定の温度で保存すること。しかし後者は、開け閉めが多いキッチンの冷蔵庫では非常に難しいのです。溶けて凍ってを繰り返すと、食品内の細胞に空気が入りやすくなり、酸化が起きてしまうのです。
美味しく食材を冷凍するために専用冷凍庫が必要な理由のひとつはここにあります。開け閉めが少なくなるから温度変化が少なく、冷凍焼けが起こりにくくなるからなのです!
■「釣った魚保存用冷凍庫」の必要な要件をまとめてみた
そんなわけで、我が家に適した、釣魚用冷凍庫に必要な要件は、以下の3つでした。
【1.たくさん入って整理しやすい】
バラエティ豊かな釣魚の保存にも対応でき、食材の買いだめにも対応できることがポイント。そのためには調理などで使うときに行方不明にならずに整理でき、取り出しやすいことが重要です。そのため、釣具屋などにある、上から積み重ねるタイプのチェスト型冷凍庫ではなく、ちゃんと整理棚がついている縦置きタイプ
【2.急速冷凍&マイナス18℃以下での保存ができる】
解凍した際にドリップが出ないよう、マイナス18℃以下で急速冷凍できる機能があるものがベスト!
【3.インテリア的にどこでも設置しやすいデザイン】
もうはっきり言って、3LDKのマンションだと、キッチンに置ける場所なんてない…。となるとどこかの部屋の空きスペースに…となるはず。その時に置きやすいデザインであることが重要。家庭内稟議の通過にかなりポイントになる要件です。
そこで今回、さまざまな候補の中で3つの条件を満たした1台がAQUAの冷蔵庫「アクア COOL CABINET AQF-GS13J」(実勢価格:4万9000円前後)です。
【メリット1/たくさん入って整理しやすい】
134Lの容量で縦長のワンドアタイプ。開けば全体が見渡せて、4つ付属している引き出し式のバスケットで整理収納でき、ノーストレス!
真空パック機を同時購入したので、スペースが圧縮されたほか、縦入れできて管理しやすい!
設置して満足してたら、うちのキッズがたくさん買ってきた大好きなアイスを詰め始めました。これまで入らなかったため、泣く泣く断念していた、夢の箱買いアイスです。キッチンの冷蔵庫の冷凍スペースにしまっていた冷凍物件も、整理しながらガンガンいれていますが、全然余裕。134Lの容量、底が見えない…恐るべし!
【メリット2/急速冷凍&マイナス18℃以下での保存ができる】
操作は上部のタッチパネルで行います。右側の温度調節の5つのインジケーターの真ん中がマイナス18℃。ひと目盛りごとに約1~2℃ずつ温度変化します。強でマイナス約21℃。
使っている感じだと、中(マイナス18℃)でコチコチ状態をキープしているので、まったく問題なさそう。むしろ、キッチンの冷蔵庫の冷凍スペースより、しっかり冷凍されている雰囲気があります。
ちなみに左側は運転切り替え。うちの場合は完全に専用冷凍庫だったのですが、冷凍、チルド、冷蔵と、3つの保存温度切替ができる機能を持っています。
一番上のスペースには熱伝導率の良いアルミのフリージングトレイがあります。急速冷凍時はここに冷気が直接吹き付けるため、通常の3倍の速さで魚介や肉を冷凍できます。急速冷凍は「温度調節」ボタンを3秒以上タッチするとはじまります。LEDで点灯表示され、26時間で自動終了。自分で終了させることもできます。解凍時のドリップ流出問題の解決に大きく役立ちます。
【メリット3/インテリア的にどこでも設置しやすいデザイン】
冷凍庫検討中の、最大の課題が、我が家の置き場所確保問題でした…。どうしてもリビングまわりに置くことができず、やむを得ず筆者の仕事部屋兼(釣り道具)倉庫へ。
置いてみてわかったたのが、アクアがインテリアを意識したシンプルデザインだったこと! 完全にインテリア的な部分はあきらめてましたが、ガラスパネルのドアを備えたボディはいい意味で溶け込んで邪魔しない。
奥行もスペックを見ていた時は結構大きいなぁというイメージでしたが、置いてみたらデスクの横にジャストフィット! うちに来るために開発されたのではないかというくらい、ぴったりきちゃいました。
仕事はこの冷凍庫の隣で行ってますが、たまに小さく「ちゅるちゅる〜」と冷媒をまわす音が定期的に聞こえますが、まったく気にならず。ファンの音も同様です。よく言われる放熱に関しても、周辺に少しずつ余裕を持たせて設置したためか、いまのところはまったく問題なし。
ガラステーブルの天板には観葉植物なんて置いちゃったりして。無機質な物置書斎に、新たな癒しのスペースができました。
■噂の真空パック機もセットで導入!
釣り人界隈でちょっと有名な、真空パック機「フードセーバー」も合わせて購入。結果から言いますと、真空で1カ月冷凍の鯛、アカハタを解凍して刺身、しゃぶしゃぶで食してみましたが、食感も旨味も損なわず、びっくりするほど旨かったです。そのため、お正月用素材のための食材保管にも重宝しています。
■真空パック×専用冷凍庫での保存はもはや釣り人のスタンダードかも!
キャッチ&イート派にとっては、釣ったときから正しく締めて、現場で正しく冷やし、帰宅後の素早い処理までは基本的なスキルとして身につけるべきです。さらに、ここに加えて、冷凍しても美味しく食べれる技術と、ギアを導入することで、さらに料理の幅が広がります。料理のプロじゃなくても「専用冷凍庫の設置」は、釣り人なら、迷わず「大アリ」と言い切れます!
>> 「アクア COOL CABINET AQF-GS13J」
<取材・文/ナオ・サクライ>
ナオ・サクライ|子供のころ、九州で渓流から海まで、さまざまな釣りを経験したのち上京。学生時代から東京湾奥のシーバス釣りにハマったのを皮切りに、ありとあらゆる海のルアー釣りへとのめり込み、離島のショアGTや怪魚釣りなど、エクストリームな釣りを経験。現在のメインの釣りモノは、タイラバで釣るマダイ。
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