調理もできるVictory Campのロケットストーブは小さくて愛おしさ満点です

ロケットストーブは、焚き火台よりも楽に火起こしができて燃焼効率良し。薪ストーブよりも省エネだと言われています。

市販のロケットストーブは大型で重いものが多くて持ち運びが大変なんですが、2018年に登場したVictory Camp(ビクトリーキャンプ)の「Pocket DD」(3万3000円)は片手に乗る大きさで、どこにでも持っていけるちっちゃなロケットストーブです。

そもそもロケットストーブ自体はペール缶で自作できるし、市販品なら折り畳み式もあります。でも「Pocket DD」には、これだけが持つ魅力があります。なんといっても最大のメリットは1面が窓になっていて炎が見えること!

大半のロケットストーブはパイプ部分や燃料投入口しか炎が見えません。実用面で考えると、料理ができて暖かく過ごせればいいので炎が見えなくてもいい。でもせっかくのキャンプ、焚き火みたいにゆらゆら揺れる炎を見たいじゃありませんか。「Pocket DD」の窓枠は鹿カップルの切り絵になっていて、その奥で炎が表情を変えます。なんだか動画のようで飽きずにずーっと見ていられるんです。

 

■組み立てはパイプを取り付けるだけ

パイプやゴトクなど組み立てに必要なものはすべて本体に入っています。細かな作業が不要ですぐに火入れOK。

収納バッグはバニティボックスみたいなキューブ型で、16.5×14.5×H15cm。この手の収納バッグはフタ部分にハンドルがありますが、この収納バッグは高さの辺と平行にハンドルが取り付けられています。

ペレットストーブとしては決して重量級ではない重量2.5kgですが、この位置にハンドルがあることでコットン製バッグなのに生地がたわむことはありません。

それに窓部分を上に向けて収納するよう設計されています。ハンドルを持つと本体がひし形になるため小さなゴトクが中で暴れにくくなり、ガラス面に負担をかけずに持ち運べるというわけ。よく考えられています。

パイプとゴトクは本体の中にあり、スタンドは本体の下に取り付けられています。横の燃料投入口から取り出しますが、パイプは出っ張り部分がギリギリのサイズ。焦らず、落ち着いて取り出しましょう。

バリなどはありませんが、薄手のグローブをはめて作業するといいかも。

底のプレートをスライドして取り外します。これが脚。ひっくり返して本体に取り付けます。

完成です。16.5×14.5×H17cm。本体はステンレス製で安定感があります。

 

■よく燃えてオーブン料理もできる!

本体と上部に取り付けたパイプでL字型の筒を生み出す「Pocket DD」。分厚い断熱材はありませんが、厚めのステンレスで蓄熱性を高めています。

底は空気穴を設けたステンレスプレートで薪や炭をしっかり支えてくれます。ペレットを燃料にする場合は別売の「ペレットキット」を取り付ければ、本体に入れるペレットの量をコントロールできるようになります。

キャンプ場で売られている長さ約40cmの薪だと結構はみ出てしまいます。でも、燃料投入口が薪を支えてくれるので、薪はストーブ内に収まったままで、ぐらつきません。

当然のことですが、奥から燃えるので徐々に薪を押し込んでいきましょう。ちなみに「ロケットストーブは煙が出ない」と言われますが、燃え始めや湿った薪を使うと写真のように煙が出ます。とはいえ焚き火台に比べると煙は少なめ。ストーブ内があったまると煙は格段に少なくなるのでそれまで待ちましょう。

しばらく待つと写真のように煙のない勢いのある炎がパイプから飛び出します。こうなったらしめたもの。調理ができるし、断熱材で囲まれていないためそばにいるとじんわり体を温めてくれます。

ゴトクを使えば直火調理ができます。高火力なので厚めの鉄製フライパンや鉄板向き。ゴトクはX字型なのでシェラカップのような小さな底にも対応しています。フライパンはφ18cmくらいまでなら熱が回りそう。

本体と脚の間はオーブンスペースで、小さなスキレットを差し込めばピザやグラタンを作れます。これはステキ! 小型のストーブですが2品を同時に作れるなんて、たまりません。

*  *  *

Victory Campには他にも、薪がすっぽり入るストーブ「TAIGA」(6万9300円)や「Stove DD BIG」(14万3000円)もありますが、ソロ&デュオキャンパーにはちょっと手に余ります。「Pocket DD」はビッグサイズのストーブで培った技術をちっちゃなボディに詰めこんだ本格派。小さな暖炉のように愛らしく、キャンプのひとときがちょっぴり上質になりますよ。

>> オレゴニアン・アウトフィッターズ

<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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