iPhone12(128GBモデル)に使用されている部品単価の合計額は415ドル(約42,700円)で、iPhone11と比較して21%多くコストがかかっている、との分析結果を調査会社Counterpoint Researchが発表しました。
ミリ波対応モデルは部品単価合計が26%増加
Counterpoint Researchは、iPhone12(128GBモデル)に使用されている部品単価の合計額について、生産台数の38%を占めるミリ波対応モデル(アメリカのみで販売)の部品単価合計はiPhone11よりコストが26%増加しており、ミリ波非対応モデルは18%増加している、と推計しています。
全体としては、部品単価合計額は415ドルで、iPhone11よりも72.5ドル(約7,460円)、割合にして21%増加しています。
無線通信回路のシンプル化により、27ドル(約2,780円)以上のコストを削減しているものの、高性能化に伴って部品コストも上昇しています。
なお、電源アダプタとイヤホンの同梱廃止によるコスト削減効果は4.2ドル(約430円)とみられます。
なお、ここに挙げられたコストは部品個々の金額であり、研究開発費、試作品の製造、マーケティング、ユーザーサポートなどの費用は想定されていないことには注意が必要です。
A14はA13よりも1,750円割高
iPhone12の部品コストのうち、5nmプロセスルールで製造され、39%多い118億個のトランジスタを搭載するA14 Bionicプロセッサは、A13 Bionicと比べて17ドル(約1,750円)割高とみられます。
Appleが自社開発したA14 Bionicプロセッサ、電源管理チップ、オーディオチップ、超広帯域通信(UWB)チップの合計額は、全体の16.7%を占めています。
とくにコストを押し上げているのは、液晶から有機EL(OLED)に変更されたディスプレイで、23ドル(約2,370円)のコスト増加につながっています。
Qualcomm、Skyworks、村田製作所、Avagoなどの部品で構成される5G無線通信サブシステムで、19ドル(約1,900円)のコストが増加しています。
主要な部品を分散調達
Appleは、主要パーツの調達先を分散させることで、調達リスクを低減するとともにコスト引き下げを図ることで知られています。
iPhone12に使用されている主なパーツの調達先も、以下のように分散しています。
- NANDフラッシュ:Samsungとキオクシア
- DRAM:SK HynixとMicron
- カメラ:多くがソニー、一部がLG Innotekとシャープ
- ワイヤレス通信、タッチコントロールチップ:NXPとBroadcom
一方で、iPhone12の心臓部であるA14 Bionicプロセッサは台湾のTSMCが独占共有しています。
販売価格は14%の増加
発売時のAppleによる販売価格(税別)は、iPhone11(128GBモデル)が79,800円、iPhone12(128GBモデル)が90,800円なので、iPhone12の販売価格はiPhone11よりも約14%増加しています。
なお、Appleは現在、iPhone11(128GBモデル)を69,800円に値下げして販売しています。
Source:Counterpoint Research
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-338327/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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