これぞ一生モノ!何十年も使い続けられるコールマン「413Hパワーハウスツーバーナーストーブ」

【アウトドア銘品図鑑】

キャンプ用品の進化はめざましく、テントは驚くほど軽くなり、ひと昔前は微妙と言われたバッテリーランタンもメインにとって変わるほど明るくコンパクトになっています。

ストーブも同じで、パワフルかつコンパクト、しかもおしゃれに進化していて、簡単に操作できるけれど寒い時期には不向きとされたカセットガスストーブだって、1年中使えるようになりました。

そんな進化を続けるキャンプ用品ですが、頑なにスタイルを守り続けているのがホワイトガソリンを燃料とするコールマン「413Hパワーハウスツーバーナーストーブ」。

1923年にキャンプストーブNo.1が誕生し、1930年代には413と名付けられたモデルが登場しています。当時は円筒形の燃料タンクで折りたたみ式の短い脚がついていたようですが、大型風防のついたデザインや基本構造はほぼ同じ。さすがに初期モデルはなかなかお目にかかれませんが、コールマン ジャパンによると「ホワイトガソリン仕様のストーブやランタンであれば1960年代、1970年代のものは現役。今も大切に使われているオーナーが多く、補修パーツの問い合せや修理依頼が年間1000件ほど届きます」とのこと。

今なお「413Hパワーハウスツーバーナーストーブ」が愛される理由をあらためて確認してみましょう。

 

■アタッシェケース型本体にオールインワン

収納時のサイズは56×16×35cm、重量は5.8kg。コールマンの「パワーハウスLPツーバーナーストーブⅡ」は54×7×32.5cmで重量4.2kgなので、厚みがほぼ倍になっています。重量は1.6kgの差なので500mLペットボトル3本分、そう考えるとやはりちょっと重く感じます。

フタを開くとゴトク、その下に燃料タンクが収まっています。燃料タンクの周囲には余裕があるので取り出しやすいのですが、その分、燃料タンクが動くのでメンテナンス用の雑巾や軍手を詰めておきましょう。

また、収納時の置き方には配慮が必要です。ハンドル側を下にするとジェネレーター、縦置きするとミキシング部や燃料タンクのポンピングノブに負荷がかかります。使うときと同じように置くか、ハンドルを上にして収納。あえて縦置きにするときは必ず雑巾などで燃料タンクを固定し、燃料タンク側(サブバーナー側)を下にします。

燃料タンクを取り出し、燃料バルブをOFF方向に回して完全に閉じていることを確認。ホワイトガソリンを8分目まで入れます。燃料缶から注ぐ場合は、注ぎ口を上にするとドバッとこぼさずにすみますよ。

なお、燃料メーカーからもホワイトガソリンが販売されていますが、コールマン純正は極限まで不純物を取り除いているためカーボンで目詰まりしにくいんです。純正=高価と思いがちですが、メンテナンスの手間が減るので結局オトク。

ポンピングノブで加圧します。ノブの小さな穴を指で押さえながら、押し込めなくなるまで何度も抜き差ししましょう。

風船のイメージがあるからか、加圧しているとビギナーさんから「爆発しそう」と結構な確率でつぶやかれますが、金属製のタンクなのでたとえ力自慢のレスラーが加圧しても破裂しません。メンテナンス不良で内部のポンプカップが劣化していると圧力がかからなくなることはありますが、火がつかないのでやはり爆発しません。安心してください。

本体手前の穴からジェネレーターを通して、ふたつのスリットに燃料タンクを引っ掛ければ完成です。

 

■レバーの操作で青い炎に

ガスストーブはボタンをひねり、必要ならマッチの炎を近づけるだけで着火できますが、「413Hパワーハウスツーバーナーストーブ」はちょっとしたコツが必要です。

本体左側のサブバーナー用のつまみをOFF方向に目一杯回して閉じておきます。

タンクの上のほうにある点火レバーを上向きにします。燃料タンクには点火レバーをいつ上向きにするか、下向きに替えるかを記載されているのがうれしいですね。

古いオートバイに乗っている人はわかると思いますが、点火レバーはチョークと似た役割があります。チョークは濃い燃料を送り込むための装置ですが、点火レバーは気化しやすいよう薄い燃料を送り込む装置なんです。そう考えるとちょっと愛おしい。

燃料バルブを2回転させ、マッチやライターの炎をバーナーに近づけて点火。自動着火装置はありません。

最初はこのように赤い炎ですが、これで正常。

点火時に一気に燃料が送り込まれて燃料タンク内の圧力が低下するので、火がついた状態で追加加圧しておきます。

ジェネレーターがあたたまってきたらだんだん炎が落ち着きます。そうなったら点火レバーを下に向けて濃い燃料を送り込んで調理スタート。

ちなみに、左側のサブバーナーは、右側のメインバーナーを使っているときでないと点火できません。サブバーナーも使うときは、左側の燃料バルブを2回転以上左に回し、ライターやマッチの炎を近づけて点火します。

 

■オーブンや鉄板も使ってよし

ガス缶を使うストーブは手軽ですが、ダッチオーブンや鉄板など周囲に多くの熱を発する調理器具は使えないものがあるんです。その点「413Hパワーハウスツーバーナーストーブ」は問題なく使えます。

メインバーナーとサブバーナーを覆うグリドルも、折りたたみ式オーブンも使えるので料理好きも安心。しかもゴトクが広いので12インチのダッチオーブンが余裕で載ります。

火力はメインバーナーが3650kcal/h、サブバーナーは2750kcal/h。冬用燃料缶を使えば4000kcal/hを超える高火力ガスバーナーもありますが、キャンプ用ストーブは必ずしもハイパワー=正義ではありません。

素早く湯沸かしするときは高火力が便利なのですが、煮物や炊飯はとろ火が必要。というよりも安定した弱火こそ、料理に不可欠。

「413Hパワーハウスツーバーナーストーブ」はごく弱火にできるし、急に寒くなろうが高原にかついで行こうが、燃料はただひとつ。ガスストーブのように、寒冷地用の燃料が必要か悩む必要がありません。これは大きなアドバンテージです。

*  *  *

定期的にポンプノブにオイルをさす、ジェネレーターを交換するなどメンテナンスは不可欠ですが、比較的シンプルな構造なのでパーツさえあれば自分で修理・交換できます。

点火に加圧が必要だし、サブバーナーは単独では使えません。分厚くて重くて、ちょっと放置するとサビが浮くし、拗ねてジェネレーターが詰まることもある“かまってちゃん”な一面はありますが、30年後、40年後も子どもたちが使い続けられるストーブです。小さな傷や凹みには思い出が刻まれているわけで、キャンプの記憶とともに子や孫の世代へつながるとすると、まさにプライスレス。

「413Hパワーハウスツーバーナーストーブ」は必要十分な機能とともにロマンが詰まっている。だから愛され続けているのかもしれません。

>> コールマン

 

<取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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