2021年1月第3週のモビリティ関連ニュースをお送りする。
なお、私(Kersten Krosec)はTechCrunchのモビリティ担当編集者になった。役職の変更によって、責任とミッションも大きくなった。TechCrunchの「未来のモビリティ」に関する記事を拡大するために、今後はフリーライターからも多く寄稿してもらうつもりだ。Mark Harris(マーク・ハリス)氏は調査報道記者でこれまでにも素晴らしい記事を本誌で発表しており、今後は定期的に登場する予定だ。ハリス氏は法律文書や提出資料の中からニュースを掘り出す才能がある。2019年のTesla(テスラ)の関税に関する記事や、Elon Musk(イーロン・マスク)氏のラスベガスループプロジェクトの乗客輸送能力を推計した記事などがある。
今後、輸送部門にもっと多くの顔を加えられることを楽しみにしている。
CES概要
バーチャル方式だったこともあるかもしれないが、自動運転テクノロジーは2021年のCESで以前ほどの中心的役割は果たさなかった。
代わってCESで注目を集めたテーマは、インフォテイメントと先進運転支援システムが中心だった。また2020年から続くトレンドとして、巨大なスクリーンがいくつか登場した。上の写真にあるMercedes Hyperscreen(メルセデス・ハイパースクリーン)もその1つだ。
Pioneer(パイオニア)、Harman(ハーマン)、Panasonic(パナソニック)の3社は、車内にオーディオとビジュアルのテクノロジーをさらに取り込むための未来製品を紹介した。たとえばHarmanは、車内のインフォテイメントシステムをコンサートホールや録音スタジオやゲームセンターに変える3つの新しい「体験コンセプト」を披露した。
Panasonicは英国のスタートアップであるEnvisics(エンヴィジクス)と提携し、乗用車、トラック、SUV向け次世代ヘッドアップディスプレイの共同開発・商品化を行うことを発表した。ヘッドアップディスプレイ(HUD)はショーのあらゆる場面で目にした。このテクノロジーは新しくはないが、最近の技術進歩によってシステムの能力が急速に進化し、ダッシュボードに組み込みフロントガラスに画像を投影することで、ナヒゲーションや各種のアラートを通じてドライバーを支援する。
GM(ゼネラル・モーターズ)はおそらく、バーチャル2021 CESで、少なくとも輸送分野で最大の存在感を示していた。同社は、電動ワゴン車をはじめとするプロダクトとサービスを市場に出すための新たなビジネスユニットであるBrightDrop(ブライトドロップ)を発表する場としてこのショーを選んだ。ただし、それだけではない。
GMはこの機会を利用して、近日発売のChevrolet Bolt EUV(シボレー・ボルト EUV)を先行紹介した。GMのハンズフリー高速道運転支援システムであるSuper Cruise(スーパー・クルーズ)を搭載するほか、Cadillac Celestiq(キャデラック・セレスティーク)のダッシュボードと新しいロゴまで採用した。一連の発表の意図は明らかだ。GMは世界に(そして株主に)同社が電気自動車および繋がる車のテクノロジーに対して本気であることを示そうとしている。
GMの数多くの発表は見逃しようがない。そこにはeVTOL(電動垂直離着陸ドローン)もあった。対照的にMobileye(モービルアイ)の発表はあまり目立っていなかったが、間違いなく注目に値する。
Mobileyeは、自動運転車のテストを多くの都市に拡大する計画の概要を話し、その内容は以前発表した計画と変わらなかった。
私の目を引いたのは、Mobileyeのプレジデント兼CEOであるAmnon Shashua(アムノン・シャシュア)氏が会社のビジョンと進捗について話した内容だ。
まとめると、Mobileyeは自動運転技術の開発と展開に3本の柱からなる戦術をとり、完全自動運転スタック(カメラ、レーダー、LiDAR技術に基づく冗長化センシングサブシステムを含む)をREMマッピングシステム、およびルールベースの責任感知型安全論(RSS)運転方針と組み合わせる。
MobileyeのREM地図作成システムは、同社のテクノロジーを搭載した100万台近い車からクラウドソーシングで集めたデータから高精度地図を作り、ADASや自動運転システムの支援に使うものだ。シャシュア氏は、現在Mobileyeのテクノロジーは世界中の地図を自動的に作成することが可能で、毎日800万km近く、累積10億km近くの走行データを集めていると語った。
Mobileyeは現在開発中の新しいワンチップのLiDARシステム製品の詳細も公開し、2025年に市場に出す予定だ。そのLiDARはIntelのシリコンフォトニクス技術を使用する予定だが、注目されるのはMobileyeがカメラベース技術で知られているためだ。なお、Mobileyeはカメラファーストのアプローチを捨てるわけではない。Mobileyeは、技術的・ビジネス的に最良のアプローチは、カメラファーストシステムを開発しLiDARとレーダーを冗長化のためのアドオンとして使うことだと信じている、とシャシュア氏は説明した。
要約すれば、Mobileyeは自動運転技術を商品化して大衆に届けるための資金とネットワークを有しているということだ。
本誌の輸送関連のCES記事を以下に挙げる。
・メルセデス・ベンツが高級EVセダンEQSの湾曲56インチ「ハイパースクリーン」発表
・GMが配送業者向け新事業部起ち上げ、商用EVバンと電動アシスト付きパレット発表
・自動運転技術のMobileyeが数カ月以内に東京など世界4都市にテスト地域を拡大
・ソニーがプロトタイプEVセダン「VISION-S」の技術紹介や走行シーン動画を公開
・ホログラフィックディスプレイのEnvisicsがパナソニックと提携、車内AR技術実現を加速
・BMWが次世代「iDrive」のインフォテインメントシステムを先行公開
・Sono Motorsがソーラーカー技術を自動運転シャトルバスのEasyMileにライセンス供与
・エアタクシースタートアップArcherが電動飛行機生産で自動車メーカーのフィアット・クライスラーと提携
Uberで新たなスピンオフが準備中
無人デリバリーが2021年に躍進するという私の予言を覚えているだろうか?どうやら私が正しいこともあるらしい。
Postmates XはUberが2020年に26億5000万ドル(約2760億円)で買収したオンデマンドデリバリースタートアップのロボティクス部門であり、Serve Roboticsという名の別会社になるために出資者を探している。
Serveと聞いて思い出す人がいるかもしれない。黄色と黒に塗られた歩道自動走行デリバリーボットで、Postmates Xが開発してパイロットテストを行った。このロボットは、最近Pink Dot Stores(ピンクドットストアーズ)とウェストハリウッドの配達で提携しており、新たなスタートアップの中核となる可能性が高い。
私はこの計画の重要な詳細についていくつか情報を得ているが、まだ確定はしていない。Uber
は新会社の株式を持ち続ける。本件に詳しい情報筋によると、Uberの持ち分は当初は少なかったが、その後約25%へと跳ね上がった。
会社を率いることになるのはAli Kashani(アリ・カシャニ)氏で、現在Postmates XのトップとしてServeプロジェクトの責任者を務めている。Anthony Armenta(アンソニー・アルメンタ)氏が新会社のソフトウェア部門を率い、Aaron Leiba(
アーロン・レイバ)氏がハードウェアを担当する。いずれもPostmates Xで務めたのと同じ職だ。
新しい情報が入り次第続報する予定だ。
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・UberがフードデリバリーPostmatesの買収を完了
カテゴリー:モビリティ
タグ:CES 2021、Uber
画像クレジット:Sony
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook )
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/01/19/2021-01-18-the-station-ces-trends-and-uber-plots-another-spinoff/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Kirsten Korosec
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