機械学習の実用ツールで急成長中のWeights&BiasesがシリーズBで47.2億円調達

機械学習の実用ユーザーのためのツールを開発するWeights&Biasesが、シリーズBで4500万ドル(約47億2000万円)を調達したことを発表した。

Weights&BiasesはLukas Biewald(ルーカス・ビーワルド)氏とChris Van Pelt(クリス・ヴァン・ペルト)氏、Shawn Lewis(ショーン・ルイス)氏の3人が創業した。ビーワルド氏とヴァン・ペルト氏は以前、CrowdFlower / Figure Eightを創業したが、同社はAppenが買収されてされている。Weights &Biasesはすでに200社以上の顧客、7万名以上のユーザーがいるという。

ビーワルド氏は大学で私と同級だったが、彼は「機械学習の実用ユーザーはある面ではエンジニアというよりもサイエンティストだ」といい、ソフトウェアの開発者に似ているという。

その工程の中には、数多くの実験がある。そしてWeights&Biasesのコアプロダクトは、実用ユーザーによるそれらの実験の追跡を助ける。またそれと同時に、同社はデータセットのバージョニングやモデルの評価、パイプラインの管理などのためのツールも提供している。

「たとえば自動運転車と衝突事故をコントロールするモデルがあるとすると、実際に何が起きたのかを知る必要がある。それが数年前に作ったモデルで、いろんな実験をやってきたのなら、何が起きたのかを体系的にたどることが困難なこともある」とビーワルド氏はいう。そうなるのを防ぐためには、実験の追跡をするツールが必要だ。

彼によると、Weights &Biasesはこの市場における「初期のリーダーだ」という。競合するツールが出回ってくると、それはトップダウンの企業のセールスではなく「MLの実用ユーザーに完全にフォーカス」して、他の製品から差別化しているという。同様に、機械学習が多くの分野で利用されてくるにつれて、Weights&Biasesもときどき「高度な問題」にぶつかることがあるとのことだ。

画像クレジット:Weights&Biases

「機械学習のために機械学習をやってるような企業に販売していくことに関心はありません。たとえばCEOの命令で会社のあちこちに機械学習をばらまいているような企業もあります。そういう企業には何のインパクトもないため、見てるだけで憂鬱になります。しかし、我々が話をしているような企業のほとんどは、何か有益なことのためにMLを利用しています」。

彼が挙げる大手農業企業のJohn Deereは、Weights&Biasesのプラットフォームを利用して、継続的にロボットによる肥料撒布方式を改良している。雑草や害虫を殺す農薬ではない。また一部の製薬企業はWeights&Biasesを使って、さまざまな分子の振る舞いをモデル化する方法を研究している。

Weights&Biasesはこれまで、2000万ドル(約21億円)の資金を調達している。今回のラウンドはInsight Partnersがリードし、Coatue、Trinity Ventures、Bloomberg Betaが参加した。またInsightのGeorge Mathew(ジョージ・マシュー)氏が、取締役会に加わる。

マシュー氏は、Weights&Biasesについて次のように述べている。「これだけNPS(ネット・プロモーター・スコア)が高く、カスタマーフォーカスの深いMLOpsのカテゴリーリーダーは他に見たことがありません。Insightによる最初の投資が、MLの実用ユーザーのユーザーベースに貢献するスタートアップであることを誇りに思います。この分野は、ここ2年間で60倍に成長しています」。

同社によると、今回の資金はエンジニアリングと成長、営業、そしてカスタマーサクセス方面の新規雇用に使われるという。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Weights&Biases資金調達機械学習

画像クレジット:Weights&Biases

原文へ

(文:Anthony Ha、翻訳:Hiroshi Iwatani)


Amazonベストセラー

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA