米国の研究チームが「ワームブロブ」を研究してロボットの動きに応用しようとしている

ワームブロブ(worm blob)って何?ときっとあなたは思っただろう。そう、もちろん、ワーム(ミミズなどのような細長い虫)のブロブ(塊)だ。もっと具体的にいうと、カリフォルニアブラックワーム(学名Lumbriculus variegatus)の塊だ。群れでも集会でも学校でもない。この虫がぐにゃぐにゃとした大きな塊になり、全体が1つであるかのように動く。

ロボット研究者は長年、自然からヒントを得てきた。このほど発表されたのはジョージア工科大学の研究チームが前述のワームブロブの不思議な動き方から知見を得ようとした研究だ。チームは研究成果を応用してロボットの動きを見直そうと考えている。

研究チームは2月初めに成果を学術誌で公表した。研究によると、10匹〜5万匹で構成される塊は温度変化などに適応して生き残るための一種のメカニズムだという。一部の個体でグループを動かすことが可能で、2〜3匹で15匹のグループを動かせる。

研究チームは2本のアームと2つの光センサーを備えたロボットを3Dプリンタで6台作った。アームに取りつけられたメッシュとピンでロボット同士をからませることができる。

研究者のYasemin Ozkan-Aydin(ヤセミン・オズカン – アイディン)氏はこのニュースに関するリリースで「光の強さに応じて、ロボットは光から遠ざかろうとします」と述べている。ロボット間で直接通信はしないが、1つのグループとして効果的に動作した。「ロボットは、ワームで観察されたのと似た行動を起こします」(同氏)。

画像クレジット:Georgia Tech

研究チームは、このような集団行動を個々のロボットを協調的でまとまりのあるユニットにすることに応用できると考えている。Daniel Goldman(ダニエル・ゴールドマン)教授は研究について「ロボットの集団に特定のことをさせようと考えがちですが、ロボットは散らかっていない環境、シンプルな状況で動作する傾向があります。重要なポイントは、ブロブは個体間の物理的な相互作用のみで動くということです。これはロボティクスに取り入れるには興味深い要素です」と述べている。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:ジョージア工科大学学術研究

画像クレジット:ジョージア工科大学

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(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)


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