国登録有形文化財である大阪・山本能楽堂にて、マルチアングルで楽しめる能楽がはじまる。「すまほ能」と銘打たれたこの能楽体験は、「オンラインで楽しめるスマートフォン視聴型本格能」をコンセプトとし、初心者から能楽ファンまで楽しめるものになっているようだ。
スマホで楽しむ人気の能楽2演目!
従来の舞台芸術は全景を定点撮影するなど発信者が選んだ視点からの鑑賞が一般的だったが、「すまほ能」では、180°どこからでも自由な視点で舞台を鑑賞できる。そのため、舞台後方からではわかりにくかった演者の動きや足さばき、能面の陰影、衣装の美しさなどをリアルに体感することができるという。
また、映像はスマートフォンでの高画質・高音質の視聴に最適化され、横型・縦型ともに対応。スマートフォンひとつで本格的な能楽が楽しめるというコンセプトに沿ったコンテンツとなっている。
公開日程は2021年2月12日~19日で、演目は人気の高い「羽衣」と「安達原」の2演目。「羽衣」の天女の舞や、「安達原」の女の恨み・執心、その裏にある人間の悲哀を表現する般若の面を自分の好きな視点で鑑賞できるのがポイントだ。なお、初心者でも楽しめるようにと字幕解説も用意されている(字幕なしも選択可)。
3Dの特典映像にも注目!
能楽の世界観をより楽しめる「3D能面」「3D能楽堂」という2つの特典映像も同時公開予定。
「小面」と「般若」の2つの面の裏側やディテールまで解説付きの3Dビューアで鑑賞したり、舞台の全景はもちろん音響効果があるといわれる舞台床下の甕(かめ)など能楽堂の裏側までわかる解説付きで歩くように見学したりできるようだ。
「すまほ能」は、映像の購入とチケット代金の決済、登録情報の管理、映像の視聴がワンストップで完結する「PLACE Player」にて配信される。購入者は送られてきた視聴用URLからスムーズに鑑賞することが可能だ。
料金は、1演目で1,800円、1演目+特典映像で2,500円、2演目+特典映像で4,000円。購入から1週間は何度でも視聴できるとのこと。
最近、スポーツやコンサート、動物園やサーカスなどさまざまなマルチアングルが登場している。そのなかでも、能楽を配信するというのは「伝統芸能×デジタル技術」というユニークな試みだ。また、初心者には敷居が高いと思われがちな能楽にふれる機会が増えたことは、文化芸術の継続・強化という観点で大きな意味をもつかもしれない。
- Original:https://techable.jp/archives/148133
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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