暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2021年1月31日~2月6日の情報から。
「アート×テクノロジー」を理念に掲げアート領域でのブロックチェーン活用に取り組むスタートバーンは2月5日、東京のアートシーンを伝えるメディア「Tokyo Art Beat」を運営するアートビートをグループに迎えることを発表した。両社は、さらなるアート業界の活性化を目的としたエコシステムの構築の推進を目指す。
2014年設立のスタートバーンは、アート作品の証明書や来歴の管理などアートの流通を支えるブロックチェーンインフラ「Startrail」(スタートレイル。旧アート・ブロックチェーン・ネットワーク。ABN)の構築をメインに事業を展開するスタートアップ。「アートの民主化」を目的としており、ブロックチェーン技術を用いることで、アート作品の取引や利用をより安全でスムーズに行える世界を目指している。
今回、スタートバーンがグループに迎えたアートメディア「Tokyo Art Beat」は、日本語と英語によるバイリンガルメディアとして、アートファンやアートにこれから興味を持つ人などに向けて、世界中の人々が東京のアートの魅力に触れるきっかけとなる情報を発信し続けている。NPO法人だったアートビートは、2020年10月1日より会社法人として活動している。
2004年創設のTokyo Art Beatは、月間平均500件におよぶ日英バイリンガルの展覧会情報と、最新アート情報を伝える記事を発信。同時に、YouTubeでの映像コンテンツ配信、人気イベントや最新ニュースほか展覧会検索サービス機能を搭載するiPhone向けアプリも展開している。また、ウェブのみならずリアルなアートイベント企画も行っているという。
Ethereum(イーサリアム)上で、美術品の所有情報などをまとめたERC-721準拠証明書を発行
スタートバーンは、2018年10月よりABNをテストネットで運用してきた。Ethereum(イーサリアム)上でスマートコントラクトを用いて構築されたABNは、ERC-721準拠証明書の発行とともに、美術品の所有情報をブロックチェーン上に書き込む。ブロックチェーンの耐改ざん性を生かして情報をセキュアに管理しつつ、また、流通による二次的な収益をアーティストへ一部還元する機能なども備えるなど、アート作品の所有権と来歴を電子的に管理できるとしている。
ABNは、SBIアートオークションが主催する美術品の競売会などで実際に利用されるなど1年超の実証期間を経て、2019年10月にABNの仕様や今後の開発計画を記したホワイトペーパーを公開。2020年3月には本格的稼働に入り、それに伴い名称をABNから現在のStartrailに改名。2020年8月にメインネットでの公開となった。
アート業界の活性化を目的としたエコシステムの構築
両社は協働で、さらなるアート業界の活性化を目的としたエコシステムの構築を推進していく。スタートバーンにとってアートビートは「アート業界のエコシステム構築を推し進める上で、美術館やギャラリーとのつながりを強めるハブとして、国内外で重要なシナジーを発揮していくことが想定される」と、スタートバーン代表取締役の施井泰平氏は コメントしている。
またアートビートは、スタートバーンとジョインすることで、新たなテクノロジーによって「ユーザーにとって利便性の高い機能や情報を提供し、地方や海外への展開を積極的に押し進めることが可能になります。これまでのファンの満足度を高め、さらなるファンを生み、ひいてはアート業界全体を活性化していくことでしょう」「単独では創り得なかったような価値を、お互いを高め合いながらであれば創っていけると強く確信しています」と、両社の関係性について述べている。
また、これを機にアートビートの株式会社化とスタートバーンへのグループ参加について、Tokyo Art Beat共同設立者の藤高晃右氏、ブランドディレクターの田原新司郎氏、スタートバーン代表取締役で美術家の施井泰平氏が、Tokyo Art Beatにて鼎談(ていだん)記事を公開。三者がTokyo Art Beatの今後について語っている。「アート×テクノロジー」について興味がある方は、一読するとよいだろう。
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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:アート(用語)、アートビート、ERC-721、Ethereum(製品・サービス)、NFT、スタートバーン、ブロックチェーン(用語)、日本(国・地域)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/02/12/startbahn-tokyoartbeat/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Pyonta Takahashi
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