Nate Faust(ネイト・ファウスト)氏は、Quidsi(Diapers.comとSoap.comを運営)の副社長、Jet(約3492億円でWalmartに買収された)の共同設立者兼COO、そしてWalmart(ウォルマート)のSVPとして、eコマースビジネスに長年携わってきた。
時が経つにつれ、業界が始まってから25年経った今でも「使い捨て、一方通行の包装」に頼っているのは「クレイジー」だと、彼はゆっくりと気づいたという。これは消費者にとっては厄介なことであり、環境への影響も大きいが、ファウスト氏は「もし小売業者が単独でこの問題に取り組もうとした場合、より高価な包装と双方向輸送のために莫大なコスト増に見舞われることになるでしょう」と語る。
そこで同氏は、買い物客が購入した商品を再利用可能なパッケージにまとめて週に一度の配送にする新スタートアップ「Olive」を立ち上げ、この状況を変えようとしている。
Oliveは、Adidas(アディダス)、Anthropologie、Everlane、Hugo Boss(ヒューゴ・ボス)、Outdoor Voices、Saks Fifth Avenue(サックス・フィフス・アベニュー)など、何百ものアパレルブランドや小売店と提携している。消費者がサインアップした後、OliveのiOSアプリやChromeブラウザー拡張機能をインストールし、「通常通り小売店やブランドのサイトで直接買い物をすると、Oliveがそのチェックアウトプロセスをサポートし、自動的にOliveアカウントの詳細情報を入力してくれます」とファウスト氏は語る。
商品はOliveのコンソリデーション(混載)施設に送られ、そこで一旦保管され、1週間分の出荷にまとめられる。小売業者は通常通りに製品を出荷しているため、梱包材はまだ使用されているが、少なくとも消費者が廃棄する必要はない。ファウスト氏によると、最終的には小売店との連携を強化して、包装材の削減や廃止に取り組んでいきたいという。
それまでの間は、環境への大きな影響は「配達をより少ないラストマイル停車に集約すること」から来るとファウスト氏は語った。同社は、配達のアイテム数を2倍にすることで、アイテムごとのカーボンフットプリントを30%削減できると推定している。
毎週の配送は、米国のほとんどの地域では普通郵便で行われ、そして密集した都市部では地元の宅配業者が配達する。荷物はリサイクル可能な素材で作られた再利用可能なシッパーに入って届き、返品する場合はOliveアプリで商品を選択した後、シッパーに戻してラベルを裏返すことで返送できる。
実際、ファウスト氏は、返品手続きの利便性(ラベルを印刷する必要がなく、地元のFedExやUPSの店舗に出向く必要がない)が、環境への影響を気にしない買い物客にとってもオリーブの魅力になるはずだと主張している。
「環境への影響を最大にするには、環境への影響以外のセールスポイントがなくてはなりません」と同氏はいう。
消費者は通常の送料を支払うだけで、Oliveの配送は追加料金なしで利用できる。
ファウスト氏は、OliveがAmazon(アマゾン)のような、購入した商品をできるだけ早く届けることを目的とした他のeコマースサービスとの「力の誇示合戦」に逆行するものであることを認めている。しかし、消費者調査の結果、買い物客は他のメリットを得るためにはもう少し待ってもいいと思っていることがわかった、とファウスト氏は述べている。
さらに、Oliveがアパレルから始めようとしているのは、他のカテゴリーに比べて「スピードに対する期待値が低い」ことと、1週間に1つの商品しか注文しなくても、配送の経済性が十分に発揮されるほどの商品価格があるからだとも同氏は述べた。
関連記事:有名人から零細事業者まで利用するライブビデオショッピングTalkshopliveが約3億円調達
カテゴリー:EnviroTech
タグ:eコマース、Olive、持続可能性
画像クレジット:Olive
[原文へ]
(文:Anthony Ha、翻訳:Nakazato)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/02/18/2021-02-16-olive-launch/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Anthony Ha,Aya Nakazato
Amazonベストセラー
Now loading...