新型コロナウイルスの影響で、伊勢神宮外宮・内宮の2020年の参拝客数は前年比約57%に減少した。伊勢を代表する観光ガイド「お伊勢さん観光案内人」の利用者数も減少するなど、観光客、地元事業者ともに大きな影響を受けているのが現状のようだ。
そんななか、伊勢市の登録DMO(観光地域づくり法人)である伊勢まちづくり株式会社(以下、同社)は、デジタルクーポンとそれに連動したオーディオガイドの開発に着手。
2021年2月15日~2月21日の期間で実証実験を実施し、接触回数を減らし安全な観光を実現するとともに、取得データを事業者へ還元することで事業サポートを行っていく。
「horai」を活用
同社は、既存の紙クーポン「お伊勢さんまち歩きクーポン」のデジタル化を図るため、観光型MaaSアプリ「horai」を提供するscheme verge株式会社と連携。これにより、ユーザーは「horai」をダウンロードして「伊勢」と検索するとデジタルクーポン購入が可能となる。また、伊勢に点在するクーポン参画店舗の情報やサービス内容を一元的に閲覧・利用することもできるようだ。
事業者に対しては、同アプリを通じて取得できるユーザー情報や利用履歴、現在の位置情報・混雑状況を提供し、事業サポートを行っていく。
なおscheme vergeは、第3期「KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM」において「最優秀賞」「京急オーディエンス賞」をW受賞した企業。観光型MaaSの中長期的な可能性に期待が寄せられている。同社との連携においては、次年度から事業者のレジに複数あるクーポンサービスやQRコード処理の一元化、タクシーやバスなどの2次交通のモビリティ課題の解決などに取り組む構えだ。
2種類のオーディオガイド
今回の実証では、デジタルクーポンと連動したオーディオガイドも作成している。オーディオガイド制作にあたり連携したのは、旅行ガイドをスマホでアップデートすることをビジョンとする株式会社ON THE TRIPだ。
Horaiで購入したデジタルクーポンからアクセスできるオーディオガイドは2種類。ひとつは、伊勢グルメの名店10店舗をピックアップしたガイド、もうひとつは、外宮・内宮以外の7つのおすすめスポットをピックアップしたガイドだ。
なお、デジタルクーポンとオーディオガイドのユーザーには、地元の対面式観光ガイドも紹介し、こちらの利用者増加も図っていくとのこと。
同実証は、伊勢の観光事業におけるDXのはじめの一歩とされている。国内有数の観光地・伊勢の今後のDX展開に注目したい。
- Original:https://techable.jp/archives/148618
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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