米国時間2月25日午前、仮想通貨取引所のCoinbase(コインベース)がS-1申請書を提出した。同社は直接上場を想定している。同社の株式公開は、Bitcoin(ビットコイン)をはじめとするブロックチェーン資産を巡る最近の活動、物議を醸している政治との関わりや民間取引市場における企業価値急騰のためもあって、大きな注目を集めている。
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Coinbaseの財務状況は2019年から2020にかけて急速に成長している。しかも、調整前収支でも利益を上げた。一般に急成長中のテック企業は、調整後利益などのより見栄えのする数値を使いたがる傾向がある。
2019年、Coinbaseは売上5億3370万ドル(約565億6000万円)で3040万ドル(約32億2000万円)の損失だった。2020年には、売上12億8000万ドル(約1356億5000万円)に対して1億2750万ドル(約135億1000万円)の純利益を計上した。
この仮想通貨ユニコーンは2020年に139%以上成長し、2019年の結果から大きく改善した。この会社の規模と成長は、なぜ非上場市場で1000億ドル(約10兆5960億円)もの価値をつける投資家がいるのかを理解する上で役に立つだろう。
Coinbaseの売上は変化が激しい。2020年第1四半期に1億9060万ドル(約202億円)だった売上が第2四半期には1億8640万ドル(約197億5000万円)に下がった。その後Coinbaseの売上は加速され、2020年第3四半期は3億1540万ドル(約334億2000万円)、第4四半期は5億8510万ドル(約619億9000万円)だった。
Coinbaseが、直接上場に向けて前進している理由は単純だ。つい最近最高の四半期を終えたところだからだ。
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その並外れた第4四半期に、Coinbaseの経常利益は2億2660万ドル(約240億1000万円)、純利益は1億7680万ドル(約187億3000万円)だった。これは過去の四半期と比べて質の高い収益性の改善であり、魅力的な年末収支を会社にもたらした。
仮想通貨取引所であるCoinbaseは、売上のほとんどを取引手数料から得ている。Coinbaseには他に、比較すると地味な「サブスクリプションとサービス」売上カテゴリーがあり、2020年第4四半期の売上は2070万ドル(約21億9000万円)前後だった。
さらにCoinbaseは、営業キャッシュフローが2019年のマイナスから2020年は驚くべきプラスに転じた。ただし、Coinbaseが2020年生み出したプラスの営業キャッシュフロー30億ドル(約3718億5000万円)のうち「27億ドル(約2860億9000万円)は仮受保管ファンドの手数料に関わる現金」によるものなので、それを差し引けば理解可能な規模になる。
以上が初見の感想だが、Coinbaseは急成長中で利益を上げ直接上場に向けて準備万端整っているユニコーンだ。今投資家たちの頭にあるのは、歴史的に流動的な仮想通貨に対する市場の関心を反映しているCoinbaseの売上成長をどう評価するかだけだ。
カテゴリー:フィンテック
タグ:Coinbase、新規上場、仮想通貨
画像クレジット:Steve Jennings / Getty Images
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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook )
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/02/26/2021-02-25-coinbase-files-to-go-public-in-a-key-listing-for-the-cryptocurrency-category/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Alex Wilhelm,Nobuo Takahashi
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