新型コロナウイルスパンデミックの間に起きたオンラインショッピングへの大規模なシフトは、小売業者がAmazonのようなライバルと競争するためにカスタマーデータを迅速に分析する必要があることを意味する。豪州メルボルンに本社を置くカスタマーデータプラットフォームのLexerは、データを1つのプラットフォームに整理することでブランドの管理を支援し、中小規模のブランドの分析を容易にする。同社は2月25日、豪州、米国、東南アジアでの事業拡大のためにシリーズBで2550万ドル(約27億円)を調達したと発表した。
このラウンドはBlackbird VenturesとKing River Capitalがリードし、投資家のJanuary Capitalも参加した。これまでにLexerが調達した総額は3300万ドル(約35億円)になった。Blackbird Venturesの共同創業者でパートナーのRick Baker(リック・ベイカー)氏がLexerの取締役会に加わる。
同社は2010年にAaron Wallis(アーロン・ウォリス)氏、Chris Brewer(クリス・ブリューワー)氏、Dave Whittle(デイブ・ウィットル)氏が創業した。クライアントにはQuiksilver、DC Shoes、John Varvatos、Sur La Tableが含まれる。新しい資金はLexerのチームにさらに50人を追加するために使用される。同社は豪州、米国、東南アジアでの人員を2倍にする計画がある。最高経営責任者であるウィットル氏はTechCrunchに、小売業者にエンタープライズグレードのカスタマーデータ、洞察、マーケティング、販売、サービス機能を提供すると語った。
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ブランドはLexerを利用して既存・新規両方の顧客への売上を増やす。Lexerはクライアントのサイトを訪れるさまざまなグループの購買パターンや、将来購入に至る可能性が最も高いカスタマー、最も成果を上げているマーケティング戦略などをクライアントが理解するのを支援する。
Lexerの最も有名な競合他社には、2020年Twilioが32億ドル(約3420億円)で買収したSegmentsやAdobe Analyticsがある。ホイットル氏によると、Lexerの主な差別化要因は、エンドツーエンドのソリューション提供だ。
ブランドは多くの場合、さまざまなソースからのデータを理解するために、複数のデータと分析ソフトウェアを使う必要がある。Lexerの目標は、1つのプラットフォームですべてにアクセスできるようにすることだ。「私たちのクライアントは、戦略、実行、カスタマイズ、プロジェクト管理のために、費用と時間のかかるサードパーティを雇う必要はありません」とホイットル氏は述べた。
Lexerは、シリーズB以前は成長のほとんどが単一のブランド、または中規模の小売ブランドのグループによるものだった。現在は、あらゆる規模のブランドとの連携に重点を置いているとホイットル氏は付け加えた。
パンデミックにより、多くのブランドはオンライン販売を増やし、他のeコマース業者から抜きん出るためにデジタルエンゲージメントをより重視するようになった。
「私たちは顧客に対し文字どおり何百もの戦術を用意し、新型コロナが強いる制限や障壁に適応できるようにしました。例えば、小売業者が買い物をするオフラインのカスタマーをeコマースサイトへとシフトさせる支援をしました」とホイットル氏は述べた。「もう1つの方法として、新型コロナにより供給の制約が生じ、小売業者の在庫が少なくなったときに、彼らの顧客満足度を確保するために高価値で忠実なカスタマーをターゲットにする支援をしました」。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Lexer、eコマース、資金調達
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(文:Catherine Shu、翻訳:Nariko Mizoguchi)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/02/27/2021-02-25-customer-data-platform-lexer-raises-25-5m-series-b-for-global-expansion/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Catherine Shu,Nariko Mizoguchi
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