保育園向け給食支援サービス「baby’s fun!」を提供するsketchbookは3月8日、シードラウンドにおいて第三者割当増資による資金調達を行ったと発表した。引受先はヤマダイ食品、はんぽさきの小林俊仁代表、さくらインターネットの田中邦裕代表のほか個人投資家となる。資金調達額は非公表。今回の資金調達でbaby’s fun!のサービス拡充などを進めていく。
現在、保育園は待機児童という大きな社会問題を抱えている。背景には職員の人員不足がある。一人ひとりが抱える仕事量は多く、特に給食については献立の作成から食材の管理、調理、事務作業と多大な時間を割いている。この状況が労働環境の悪化や十分な教育時間の確保を困難にし、食材の仕入れや管理の難しさは食品ロスにも影響しているという。
sketchbookは2020年7月10日に設立した。同社が提供するbaby’s fun!は保育園向けの給食支援サービスで、管理栄養士作成の献立に沿った離乳食・幼児食専用の食材キットを販売している。
会社設立に先立ち2019年6月から提供を始めていたbaby’s fun!は、当初年間5000食だった取扱数も今期は年間35万食となる見込みだ。今後、大手の保育園運営会社などで導入予定もあるという。
baby’s fun!はすべて国産の食材を使用している。管理栄養士が栄養価計算した献立に合わせてカット・調理し、冷凍食材としてキットで提供する。献立表とキットだけで、利用者は簡単に給食を作ることができる。1食単価は税別380円からで、仮に園児60人分の給食を同キットでまかなった場合、一度の給食費は税込みで2万3000円ほどになる。保育園は申し込みから最短2週間で始めることが可能だ。
また、保育園側からすれば、baby’s fun!を利用することで献立作り・栄養価計算、食材の発注・買い物、食材の下処理・カットが不要になり、給食全体の作業を大きく減らすことができる。必要分だけを使える食材キットのため、食品ロスや経費の削減にも繋がる。
今回の資金調達で、baby’s fun!の製造・営業・開発体制を強化するほか、食育コンテンツなどのサービス拡充を図る。保育園の人手不足を解消し、職員が子供と一緒に過ごす時間の創出に繋げていく考えだ。同社は「保育園給食の作業効率化とさらなる価値向上を進めていく」とコメントした。
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/03/08/sketchbook/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Yuichi Hirawata
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