自治体が交通計画や街路デザインに使っているマッピングソフトウェアを開発したスタートアップRemix(レミックス)は、Code for Americaのフェローシップでのハッカソンから生まれた。産声を上げて7年、サンフランシスコに拠点を置くRemixは現金と株式による取引で1億ドル(約108億円)でVia(ビア)に買収される。
RemixはViaの子会社となり、独立ブランドを維持する。Remixの従業員65人、そして2人の共同創業者、CEOのTiffany Chu(ティファニー・チュ)氏とCTOのDan Getelman(ダン・ ゲテルマン)氏はそのまま社に残る。
この買収により、拡大中のViaの事業に新たなサービスと22カ国にまたがる350超の自治体という顧客ベースが加わる。
Remixの強みはプランニングにある。その一方でViaはソフトウェアとオペレーションに専門性を持っている、とチュ氏は最近のインタービューで述べた。
「2社の強みを持ち寄ることで、交通計画をめぐるアイデアを生み育てて実行に移すまで、個々には成し得なかった方法で我々はエンド・ツー・エンドのソリューションとして確固たる存在になります」とチュ氏は話した。
Viaは2012年にオンデマンドシャトル事業者として始まった。2020年シリーズEラウンドで4億ドル(約434億円)を調達した後に評価額が22億5000万ドル(約2440億円)になった同社は当初、消費者に照準を絞って立ち上げられた。
そして3月10日、Viaの基幹事業はソフトウェアとオペレーションプラットフォームだ。これは自治体や交通当局がオンデマンドと固定ルートの交通、補助的交通、スクールバスを計画・予定・展開するのに使われている。同社は24カ国に200のパートナーを抱えている。
ViaはExorから出資を受けている。Exorはイタリアの名門財閥一族アニェッリ家の持ち株会社であり、同社はPartnerRe、Ferrari、Fiat Chrysler Automobiles、Macquarie Capital、Mori Building、Shell 83North、Broadscale Group、Ervington Investments、Hearst Ventures、Planven Ventures、Pitango、RiverPark Venturesの株式も持っている。
偶然的な創業
Remixのシリコンバレー風の創業は、あまりいそうもない起業家たちによってもたらされた。
チュ氏はCode for Americaの1年のフェローシップを完了させるためにサンフランシスコに引っ越した時、Zipcarでユーザーエクスペリエンスのデザイナーを務めていた。フェローシップの半ばでチュ氏と、後の共同創業者ゲテルマン氏、 Sam Hashemi(サム・ハシェミ)氏、Danny Whalen(ダニー・ワレン)氏はサンフランシスコの市民がより良い交通ルートをサンフランシスコ交通当局に提案するのをサポートするためのハッカソンプロジェクトに取り組んでいた。
交通計画ツールはTwitterでシェアされ、クチコミで広まった。そして2週間で3万ものマップが作成された。
「人々がオンラインで探検する、おもしろく予想もしなかったお手軽な交通計画ツールになりました」とチュ氏は回顧した。しかしこれに注意を払ったのは地元市民だけではなかった。約200の都市プランナーがコンタクトを取ってきて、自分たちの交通計画プロジェクトのために当局が使うことになる追加機能を構築して欲しいと依頼してきた。
「草の根的な市民プロジェクトになるはずだったものが実際に交通に関する現実のニーズや問題に適用できると認識しました。我々にとってかなり驚くべき瞬間でした」とチュ氏は述べた。
Remixはその後すぐに設立され、同社の創業者たちはY Combinatorに申し込んで受け入れらた。同社は続いてY Combinator、Sequoia、Energy Impact Partnersからの資金調達で計2700万ドル(約29億円)を獲得した。
カテゴリー:モビリティ
タグ:Via、買収
画像クレジット:Remix/Via
[原文へ]
(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/03/11/2021-03-09-via-buys-mapping-startup-remix-for-100-million/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Kirsten Korosec,Nariko Mizoguchi
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