メキシコシティに拠点を置き、チャレンジャーバンクを構築しているフィンテックスタートアップのFondeadora(フォンデアドラ)が、シリーズAの資金調達ラウンドを延長した。筆者は2020年8月に、同社のオリジナルのラウンドを取材しているが、今回はすでに調達していた当初の1400万ドル(約15億3000万円)に加え、さらに1400万ドルを追加。現在は2800万ドル(約30億5000万円)の資金調達ラウンドとなっている。
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この延長でPortag3 Ventures(ポーテージ・ベンチャーズ)がFondeadoraに投資した。以前から投資していたGoogle(グーグル)のGradient Ventures(グラディエント・ベンチャーズ)は、さらに資金を投入している。Gokul Rajaram(ゴクル・ラジャラム)氏とAnatol von Hahn(アナトールフォン・ハーン)氏も、ビジネスエンジェルとして投資を行っている。
なお、シリーズAの初回には、Y Combinator(ワイ・コンビネーター)、Scott Belsky(スコット・ベルスキー)氏、Sound Ventures(サウンド・ベンチャーズ)、Fintech Collective(フィンテック・コレクティブ)、Ignia(イグニア)も参加していた。
「シリーズAの3カ月後に、予想外のタームシート(投資条件の概要書)が送りつけられてきたのです」と、Fondeadoraの共同創業者で共同CEOを務めるNorman Müller(ノルマン・ミュラー)氏は筆者に話してくれた。同社の評価額も、ラウンド延長によって倍増している。
メキシコでは、いまだに多くの人々が現金に頼っているため、チャレンジャーバンクの設立は好機といえる。レガシーバンクの顧客に加え、多くの人にとってFondeadoraが初めての銀行口座となる可能性もあるからだ。
Fondeadoraは、銀行サービスのための支店は一切構えていない。口座を開設すると、数日後にはMastercard(マスターカード)のデビットカードが届く。月々の会費や外国為替手数料は不要だ。
他のチャレンジャーバンクと同様、口座残高は瞬時に更新される。取引の際にプッシュ通知を受信する選択もできる。また、アプリを使ってカードのロックとロック解除も可能だ。
最近では、ちょうど米国のApple Card(アップルカード)のように、個人情報やカード番号のないカードをFondeadoraは発行した。カードの裏面にはQRコードがあるだけなので、誰かに見せても番号を知られることはない。このQRコードをスキャンすると、個人間送金を行うことができる。
Venmo(ベンモ)も米国でQRコードつきのクレジットカードを発行している。この方法は、物理的な世界とアプリとの間のすばらしい架け橋となるので、世界中のチャレンジャーバンクやピア・ツー・ピアの決済アプリはすべてやるべきだと思う。
Fondeadoraは銀行の認可を取得し、今ではその銀行口座にたくさんの預金がある。これまでのところ順調にいっているようで、改めて銀行はグローバルな産業ではないことを証明している。つまり、世界中にたくさんのローカルなプレイヤーが参入する余地があるということだ。
カテゴリー:フィンテック
タグ:Fondeadora、メキシコ、チャレンジャーバンク、資金調達
画像クレジット:Fondeadora
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(文:Romain Dillet、翻訳:Hirokazu Kusakabe)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/03/17/2021-03-15-mexican-challenger-bank-fondeadora-adds-14-million-to-its-series-b/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Romain Dillet,Hirokazu Kusakabe
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