「COCOA」最新OSに非対応と判明。AppleとGoogleが警告も放置

dark COCOA
 
AppleとGoogleが共同開発したAPIを活用した新型コロナウイルスの接触追跡アプリ「COCOA」が、iOSとAndroidの最新バージョンに対応しておらず、政府は数カ月前から状況を把握していながら放置していた、と毎日新聞が報じています。

AppleとGoogleの警告を「緊急度高くない」と放置

COCOA」は、AppleとGoogleが共同開発したAPI(アプリケーション・プラットフォーム・インターフェース)を活用して開発され、2020年6月に提供が開始されました
 
2020年秋までに、iOSとAndroidは最新バージョンにアップデートされ、接触履歴の記録機能がOSベースで強化された際、AppleとGoogleは各国政府の公衆衛生当局に対し、COCOAのようなアプリを最新OSに対応させることを強く推奨する、と警告していました。
 
しかし、最新バージョンへの対応は「緊急度が高くない」との判断により、数カ月間にわたって事実上放置されていたそうです。
 
毎日新聞によると、現時点では最新のOSに対応しなくてもアプリは動作するものの、今後のOSバージョンアップなどで動作に支障が出る可能性があります。

平井デジタル大臣「余裕がなかった」

平井卓也デジタル改革大臣は3月16日の記者会見で「バージョンアップする以前のところで引っかかってたので、その余裕がなかった」と、最新OSへの対応ができていないことを認めました。
 
また、最新バージョンへの対応について「非常に重要なテーマ」「総合的な対応を今、検討している」と、対策する姿勢を示しています。

2月に相次ぎ不具合が判明、業者は3月で契約終了

政府は2021年2月になって、最新バージョンのOSへの対応の検討を開始しましたが、現在も問題は解決していません。
 
政府は、COCOAの保守運営を委託しているパーソルプロセス&テクノロジーとの契約が今年度末の3月で切れ、4月以降は別の業者と契約する方針であり、最新版OSへの対応が完了するまでにさらに時間を要することとなりそうです。
 
毎日新聞は、日本情報経済社会推進協会の坂下哲也常務理事の「丸投げの連鎖が生んだ悲劇」「政府のマネジメント能力の欠如」とするコメントを伝えています。

厚労省「Android版アプリは1日数回再起動して」

「COCOA」は、Android版で陽性者との接触が4カ月間通知されない不具合などが2月に判明し、厚生労働省のWebサイトでは現在も、Android版では1日に1回程度、アプリを再起動するよう案内しています。
 
厚生労働省 COCOA 注意
 
iOS版COCOAでも、データが初期化される不具合が発生していることが判明しているほか、iOS13.5搭載端末では接触通知が受け取れない不具合が残っています。
 
 
Source:毎日新聞 (1), (2), TBS
(hato)


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