美容グッズのネットショップGlossierの役員だったHenry Davis(ヘンリー・デイビス)氏とBryan Mahoney(ブライアン・マホーニー)氏は2020年に、Arfaと呼ばれる新しいeコマーススタートアップを立ち上げた。そして米国時間3月24日、同企業のビジョンと新しい名前、新しい資金調達そして買収を発表した。
まず名前から。今後このニューヨークのスタートアップはChordと呼ばれる。会長兼COOになったデイビス氏によると、名前はこのスタートアップが今や単なるD2Cのブランドではなく、自分たちのテクノロジー(eコマースのためのバックエンドインフラストラクチャー)を提供することにフォーカスしていることを表している。同社自身が扱うブランドについては、後日発表するとのことだ。
CEOのマホーニー氏によると、このプラットフォームはeコマースを開きたい各ブランドに「コマース・アズ・ア・サービス」を提供する。つまり企業がヘッドレスコマースの世界へ移行し、フロントエンドのショッピング体験は自前で作っても、バックエンドのeコマースインフラストラクチャーは既存のサービスを有料で使うようになると、Chordがそのために必要なニーズをすべて提供する。そこには複数のプロダクトと機能があり、コンテンツ管理や顧客データのプラットフォーム、受注管理なども揃っている。
デイビス氏がいうのは、そうしたeコマースの運営者は、データのインフラストラクチャーが不十分で、しかもますます複雑でマルチチャネルのビジネスになっていくため、自分のコアビジネスに関して妥協とトレードオフを迫られる。やるべきことに対して、その技術基盤がない。Chordは、彼らがそうならないようにしたいと考えている。「あなたのテクノロジースタックはちゃんとここにあってあなたをサポートできますよ」とデイビス氏は説明する。
そしてヘッドレスコマースのスタートアップは増えてきたけど、デイビス氏によれば、現状のeコマースでは「みんなが同じツールを使って同じことをして競争している。他と違ったヘッドレスソリューションが同じツールにアクセスしているのでもない。それに対して我々は、他と差別化できる、より良いeコマースバックエンドを提供したい」という。
Chordが提供する差別化の例としてマホーニー氏は、顧客データのプラットフォームが完全で漏れがなく、プラットフォーム全体からデータを1カ所に集める「単一の分析レイヤー」が提供される、という。
同社は、デンバーのeコマースデータのスタートアップYaguaraを買収した(価額は非公開)。デイビス氏によるとYaguaraのチームがChordに加わったことによって、eコマースバックエンドのデータとデータ視覚化の部分が強化される。
また同社はこのほど、シリーズAで1800万ドル(約19億6000万円)を調達している。Crunchbaseによると総資金額は2500万ドル(約27億2000万円)だ。なお、ラウンドはEclipse Venturesがリードした。
マホーニー氏によると、同社のビジョンは「ヘッドレスコマースのStripeとして知られるようになり、彼らがインターネット上の決済を強化するインフラストラクチャーを作ったように、ヘッドレスコマースの創成と運用を強化したい」という。
関連記事:「ヘッドレス」eコマースプラットフォームFabricが早くもシリーズAで約45億円調達
カテゴリー:ネットサービス
タグ:Chord、ネットショッピング、資金調達
画像クレジット:jayk7/Getty Images
[原文へ]
(文:Anthony Ha、翻訳:Hiroshi Iwatani)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/03/25/2021-03-24-chord-series-a/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Anthony Ha,Hiroshi Iwatani
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