サイトアイコン IT NEWS

「宇宙ビッグデータ米」が2021年中に販売予定、宇宙領域の天地人・農業IoTの笑農和・米卸の神明が栽培着手

JAXA認定の宇宙領域スタートアップ「天地人」は4月6日、スマート水田サービス「paditch」(パディッチ)を提供する農業ITスタートアップ笑農和(エノワ)、米卸大手の神明と協業し、「宇宙ビッグデータ米」の栽培に着手すると発表した。

現在日本の農業は、生産者の高齢化にともない農業就業人口は減少傾向にあり、今後の供給力が懸念されている。天地人と神明と笑農和の3社は、「米が足りなくなる」という共通の危機感を持っているという。そこで3社は、将来的なコメの生産増につながる農業施策として、宇宙の技術を活用した農業を確立するプロジェクト「宇宙ビッグデータ米」を立ち上げ、栽培に着手するとした。

同プロジェクトは3社の強みを活かしており、以下の特徴を備えるとしている。

宇宙ビッグデータ米の目的のひとつは、「気候変動に対応したブランド米をつくる」ことという。そのため、同タイミング同地域で「天地人コンパス」を使い見つけた圃場にpaditchなどテクノロジーを活用する方式と、従来方式とで栽培を行い、食味や収量などの比較を行う予定としている。

また近年、地球温暖化によって「高温障害」が多発しており、米の外観品質の劣化と食味の低下が懸念されているという。この問題に関しては、圃場選びや水管理で回避できると考えており、今回の栽培方法が有効かを実証する。

天地人は、JAXA職員と農業IoT分野に知見のある開発者が設立した宇宙領域スタートアップ。天地人コンパスを使い、衛星データからビニールハウス内の作物に対する日射量を推定するプロジェクトや、キウイフルーツなどの作物の新規圃場の検討など、農業に関わるプロジェクトを実施している。

神明は、「私たちはお米を通じて、素晴らしい日本の水田、文化を守り、おいしさと幸せを創造して、人々の明るい食生活に貢献します。」の企業理念のもと、基幹事業である米穀事業に加え、無菌包装米飯・炊飯米などの加工食品の製造販売、水産品や青果流通への参入、外食事業の展開など、食に関わる多彩なビジネスを展開している。

笑農和は、「IT農業を通じて笑顔の人の和を創り社会に貢献する」を企業理念に掲げ、全国でスマート農業機器の販売と農業コンサルティングを展開。稲作工程中で最も時間と労力を使う「水管理」工程に着目し、スマホで水管理が行えるるpaditchシリーズを販売している。

関連記事
「ニューヨークのイチゴはまずい」植物工場で作った日本品質のイチゴを世界に届けるOishii Farmが総額55億円を調達
人口1万7000人の町からテクノロジーで世界展開を狙う、農業用収穫ロボット開発のAGRISTが資金調達
果菜類の植物工場および完全自動栽培の実現を目指すHarvestXが5000万円を調達
米の銘柄判定をAI搭載スマホアプリで実現する「RiceTagプロジェクト」の実証実験が成功
新方式植物工場のプランテックスが農業機械大手クボタから資金調達、大規模マザー工場を建設
水田向けスマート農業サービス「paditch」開発・運営を手がける笑農和が1億円を調達
個人農家向け栽培管理アプリ「アグリハブ」がJA全農「Z-GIS」向けサービス開始
農業×AIにより独自の農産物栽培方法を確立し農家支援を行うHappy Qualityが資金調達
クボタが農業機械のスマート化に向けNVIDIAと協業、適切な農作業の判断と適時実行を行う完全無人農機を目指す
農業用土壌水分センサー・灌水制御・ビニールハウスソリューションのSenSproutが資金調達
産業用リモートセンシングのスカイマティクスが日本初のAI米粒等級解析アプリ「らいす」公開
自動野菜収穫ロボのinahoが実証事業・補助金プロジェクト3種類に採択

カテゴリー:フードテック
タグ:笑農和(企業)宇宙(用語)食品(用語)JAXA(組織)天地人(企業)農業 / アグリテック(用語)日本(国・地域)

モバイルバージョンを終了