S30Zやロータスエランなど名車がズラリ!1960~70年代のヴィンテージ中古車6選

2016年8月に初開催されたオートモビルカウンシルは、他の自動車ショーとは一線を画す内容。旧車販売店が出展する車両には価格がついていて、その場で買うことができるという、これまでにないイベントとなっています。

滅多に見ることができないヴィンテージカーに間近で触れること以外にも、憧れのクルマが今いくらくらいで販売されているかがわかるので、コロナ禍の2021年も感染対策に細心の注意を払いながら多くのファンが名車との時間を楽しんでいました。

もちろん今年も国産車、輸入車ともに珍しいクルマが大集合。その中から、気になったモデルを6台紹介します。

 

1. トヨタ 2000GT(1970年式)

1967年から1970年までのわずか3年間だけ製造された2000GT。世界に通用するスポーツカーを作ることが悲願だったトヨタがヤマハ発動機と共同開発した名車中の名車をオートモビルカウンシルの会場で発見。その値段はなんと1億円! 無論、会場内で最も高価な1台です。

このクルマはフロントのフォグランンプが小型化された1970年式の後期型で、ボディカラーは情熱的な赤。エンジンは職人の手でオーバーホールされた状態で展示されていました。内外装、そしてホイールやマフラーなどもとてもきれいな状態。これは単にお金があれば買えるというものではなく、後世にこのクルマを残していくという使命を持った人が手に入れるべきクルマなのではないかと感じました。

中古車サイトで検索すると、2000GTは2台ヒット。1台は9000万円弱、もう1台は価格応談でした。1億円という価格は決して高いものではないのでしょう。

>> ヴィンテージ宮田自動車

 

2. 日産 フェアレディZ(1970年式)

“Zカーの父” “ミスターK”と呼ばれる片山豊氏(米国日産初代社長)が、アメリカでのイメージリーダーになるスポーツカーが必要であると、1969年に世に送り出した初代フェアレディZ(S30型)。

このクルマはS30の中でも超希少グレードとして知られるZ432で、3500万円のプライスタグがつけられていました。

ZとZ-Lが2L SOHCのL20型エンジンを搭載したのに対し、Z432はプリンス工業のプロトタイプモデルR380に搭載されたレーシングエンジンをベースにしたS20型エンジンを搭載。Z432は「4バルブ3キャブレター2カムシャフト」を意味しています。

Z432の生産台数はわずかに400台を超える程度。それゆえに売買価格が跳ね上がり、現在では数千万円という価格で取引されるようになっているのです。

>> プラネックスカーズ

 

3. ポルシェ911(1971年式)

空冷ポルシェとひと口に言っても、どの世代に憧れを抱くかは人それぞれ。最後の空冷である993が好きという人もいれば、964や930がストライクという人もいるでしょう。俗にナローと呼ばれる1960年代〜70年代初頭のものに憧れを抱くのは、当時若者だった人か、逆に当時を全く知らない現代の若者でしょうか。

この鮮やかなオレンジ色(シグナルオレンジ)の911は1971年式の911E。1968年にホイールベースが延長され、70年モデルからは排気量が2.2Lに拡大されています。

車両価格は1600万円。ナローを中古車相場で検索するとほとんどは価格応談ですが、表示されているものは1200万〜2000万円という値がつけられていました。

>> オートダイレクト

 

4. メルセデス・ベンツ 280SL

ガルウイングのW198に続く、2代目SL(W113)は1963年〜1971年に製造されました。現代まで続くSLならではのスタイルの礎を築いたモデルで、シャープなボディラインが印象的。縦目のヘッドライトもW113を象徴するものでした。

ボディには軽量化のためにアルミを多用。ルーフはハードトップ(クーペ)、ソフトトップ(ロードスター)、フルオープン(カリフォルニアロードスター)という3つの仕様から選べました。

このW113は並行輸入車なので年式や走行距離は不明ですが、ヤナセ クラシックカー センターが扱うもので、納車時にヤナセのメカニックが総点検を行い不具合箇所の修理・部品交換、予防整備を行うとのことです。車両価格は1760万円。中古車サイトでの価格帯は750万〜1800万円でしたが、多くは価格応談となっています。

>> ヤナセ クラシックカー センター

 

5. フィアットアバルト 750GTスパイダーザガート(1960年式)

1949年に創業され、フィアット車をベースにしたレース車両の製作やエンジンチューニングを行っていたアバルト。750GTはそんなアバルトの名を世界に知らしめたモデルと言われています。

1955年に登場したフィアット600(セイチェント)をベースに、排気量を633ccから747ccに拡大。フィアット600がリアエンジンなので、750GTも当然リアエンジンに。ボディの製作はイタリア・ミラノに本拠地があるザガートが担当しました。

750はレースで活躍したのち、GTモデルとして登場し大ヒット。アバルトの名が世界中に知れ渡るきっかけになりました。今回出展されたのはオープンモデルのスパイダーザガート。クーペモデルはルーフに2つの大きなコブ(ダブルバブル)があることで知られています。

>> コレツィオーネ

 

6. ロータス エラン プラス2 130/5(1972年式)

1962年に登場したロータス エランは、ライトウェイトスポーツの代名詞的な存在。1989年に登場したユーノスロードスターも、この時代の雰囲気を感じることができるデザインでしたね。

エランは北米市場を意識して開発されたこともあり、オープン2シーターだけでなく途中でリアに小さなシートが設置された2+2バージョンが設定されました。それがエランプラス2です。

ファミリーカーとしても使えるロータスは、2シーターよりもホイールベースを304mm拡大。130/5は5MTが搭載されました。

>> AC MINDS & Co.,

 

【番外編】憧れのヴィンテージカーをレンタルできちゃう!?

ヴィンテージカーのある暮らしに憧れるけれど、現実的なことを考えれば維持するのが大変だし、そもそも購入する資金が…。そんなことを考えて諦める人も多いもの。それならまずはヴィンテージカーをレンタルして、雰囲気を味わってみては?

京都にあるクラシックシトロエン専門店のアウトニーズでは、DS23と2CVのレンタカーサービスを行っています。利用料金は1日利用でDS 23が2万8000円で、2CVが1万6800円。1泊2日、2泊3日コースも用意されています。

京都旅をヴィンテージなシトロエンで楽しむ。きっといつもとは違う時間を味わえるはずですよ。

>> アウトニーズ

 

<取材・文/高橋 満(ブリッジマン)

高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。

 

 

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