Dellがまた大きなアセットを売却、BoomiをFrancisco PartnersとTPGに約4360億円で譲渡

Dell(デル)が2016年にEMCを巨額で買収した結果、負債の問題を抱えていることは広く知られているが、2021年数十億ドル(数千億円)規模で負債の一部削減に動いているようだ。最初のステップとして2021年4月、VMware(VMウェア)を別会社にスピンアウトした。この動きにより100億ドル(約1兆900億円)近くが削減されると見込まれる。

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米国時間5月2日夜、長く観測があった第2のステップへ踏み出した。Boomi(ブーミー)をプライベートエクイティ2社に40億ドル(約4360億円)で売却すると発表したのだ。TPGによるこの統合プラットフォーム会社の買収にFrancisco Partnersが加勢する。

Boomiは、Salesforceが2018年に65億ドル(約7090億円)で買収したMuleSoftと似たような会社だが、歴史は少し長い。どちらも異種システム間を接続し、統合の問題を抱える企業を支援する。Dellが何年にもわたるさまざまな買収で得た多数の会社を統合し機能させるためには非常に有用な資産のように見えるが、その必要性にキャッシュが勝った。

企業がサイロ化したシステムに閉じ込められたデータをより有効に活用する方法を模索する中、統合サービスの提供がますます必要とされている。Franciscoの幹部によると、Boomiがその役割を果たせる可能性があり、それが買収の主な理由の1つだ。

「アプリケーションとドメインのどんな組み合わせに対してもデータとワークフローを統合・接続できることはビジネスにおいて重要な機能です。あらゆる規模の企業がデータを最も価値のある資産に変えようとするとき、Boomiはその支援ができるポジションに位置していると確信しています」と、FranciscoのCEOであるDipanjan Deb(ディパンジャン・デブ)氏とパートナーのBrian Decker(ブライアン・デッカー)氏は声明で述べた。

ご想像のとおり、BoomiのCEOであるChris McNabb(クリス・マクナブ)氏は、新しい上司が同社の成長をどのように促進するかについて、前向きな姿勢を示した。「Francisco PartnersとTPGという一流の投資会社2社と提携することで、顧客がデータを使用して競争上の優位性を推進する能力を加速させることができます。これからの成長フェーズでBoomiは、顧客にさらに多くの価値を提供しながら、イノベーションと市場をさらに前進させる強みを持つポジションに立ちます」とマクナブ氏は声明で述べた。

上記のすべてはある程度真実なのかもしれないが、同社はまとまりのない大規模企業から離れ、プライベートエクイティ2社という機械装置に吸収される。この先どうなるのかは予測し難い。

Boomiは2000年に設立され、2010年にDellに売却された。現在1万5000人の顧客を抱えるが、Dellの負債については詳しく報じられている。Dellが最近実施したような数十億ドル(数千億円)の取引をつなぎ合わせてみれば、即座にカネの話になる。同社はVMwareの発表のときのように、この取引から得るキャッシュを負債の返済に充てるとは表明していないが、もちろん同じことが起こるはずだ。

買収取引は2021年後半に完了する予定だが、その前に通常要求される規制当局の審査を通る必要がある。

カテゴリー:その他
タグ:Dell売却

画像クレジット:David Becker / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi


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