気候変動等の影響で全国的に豪雨による浸水被害が増加している中、冠水地点から離れた場所にも浸水の危険を周知できるシステムが新たに登場したようです。
ユアサ商事株式会社、応用地質株式会社、株式会社サンポール、株式会社キャットアイ、環境エクステリア株式会社は、冠水センサボラード(車止め)の汎用性を高めるためのシステムを構築し、静岡県内にて実証試験を開始しました。
従来の冠水検知には課題が
サンポール、ユアサ商事、応用地質の3社が開発した「冠水センサボラード」。これを利用することで、冠水があらかじめ設定した水位(30mm~200mmまで任意に設定可能)に達すると検知が可能になります。
例えば、近隣住民などを危険箇所に近づけさせないように、複数の警告灯(子機)が数百メートルに渡って同期し、点滅して周囲に警告。さらに、冠水を検知すると同時に、道路管理者や関係機関にメールで通知することも可能。冠水状況の早期把握により、パトロールや通行規制準備など、初動対応のリードタイムを確保します。
このように様々な機能を備える「冠水センサボラード」ですが、車止めを必要としない道路や、冠水地点から離れた場所に警告が必要なケースでは適用性に課題がありました。また応用地質によると「これまでの一般的な道路冠水警報システムは、冠水を検知するセンサ部と、警告灯や情報表示板などを有線で接続し、また、いずれも商用電源を必要とするものが多いことから、システム導入時には設置コストが高額になる課題もありました」。
子機の警告灯を発光
そこで今回、キャットアイ及び環境エクステリアの2社を加え、冠水センサボラードと無線警告灯システムとを組み合わせることで、冠水地点から離れた場所にも浸水の危険を周知し、道路の通行者が早期にリスク回避できる新たなシステムの開発に至ったといいます。
今回、5社が実証実験として新たに構築したシステムは、冠水センサボラードを親機とし、親機が検知したハザード情報を遠方に設置した複数の子機が受信。子機の警告灯を発光させることで、周囲の道路通行者に危険を知らせます。親機・子機間の通信は無線で行い、また子機の電源は子機内蔵のバッテリーで賄うため、電気工事が不要です。そのため、システムの導入コストならびにランニングコストの低減が実現可能です。
応用地質の担当者は「本システムは、静岡県駿東郡小山町内において4月15日より実証試験を開始しました。本実証試験により、新たな警告機能の有効性や道路管理者に対する情報通知の有効性について確認してまいります」と話しています。
(文・Takeuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/154353
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:takeuchi
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