動くプライベート空間!傑作軽キャンパー10選【趣味時間 傑作ヒットモノ最前線】

【特集】趣味時間傑作ヒットモノ最前線

コロナ禍にあって、公共交通手段を避けた移動や、休日に出かけたりするのに欠かせない存在のクルマ。なかでも注目なのが、宿泊も可能なキャンピングカー。低予算で充実のクルマ旅を実現する「ソトアソビ」の相棒にぴったりの“軽キャンパー”をイベント会場で探してみた!

 

■内装も外装も個性派揃いの軽キャンパー

輸入車からミニバンタイプの車中泊仕様まで、さまざまなジャンルの「旅ぐるま」が集う展示会、ジャパンキャンピングカーショー2021でGoodsPress編集部が注目したのは、軽自動車をベースにした軽キャンパー。

狭い道でも取り回しやすいコンパクトなサイズで、普通車に比べて税金などの維持費や高速の通行料金も割安。ビギナーでも気軽に扱えることから「軽キャン」の愛称で親しまれている。機動力の高さを武器に、自由気ままなひとり旅や自転車、釣り、湯巡りなど、趣味の幅がグッと広がるのも軽キャンの魅力。

軽キャンはコンパクトなボディサイズと引き替えに、車内スペースが限られるのが弱点だが、各社がユニークなアイデアや独自のギミック、技術を駆使して快適な居住空間に仕立てている。

例えば、屋根が上に開く「ポップアップルーフ」や、テーブル&荷室の「スライドアウト機構」など。外に拡張させることで車内を広く使うという発想だ。内装も個性派ぞろい。ログハウス風や畳敷きの和室を再現したものなど、まるで自宅の部屋や大人の秘密基地のような趣だ。ベッドと電源を備えているので、リモートワークや防災シェルターにも活用できる軽キャン。今回のイベントで編集部が注目の傑作モデルを、旅するクルマのスペシャリストである湯目さんのコメントとともに紹介する。

旅ぐるま探求家 湯目由明さん
キャンピングカー取材歴20年以上。旅するクルマのスペシャリスト。専門誌をはじめ、自動車誌やWebでは輸入車、国産車の新車試乗レポートを数多く執筆

1. 災害ボランティアの自活拠点も視野に入れたコンプリートカー

コイズミ
「NUGGET(ナゲット)」(乗車2名/就寝2名 245万1900円〜)

軽トラの荷台丸ごとキャンプギアの収納ラックに使うという発想が◎。ワイルドで無骨な外観も超カッコいい(湯目さん)

▲収納ボックスや寝床のルーフテントは趣味だけでなく災害ボランディア活動のベースキャンプにも活用できる

軽トラのキャリイをフォードのピックアップトラック、F-150ラプター風にカスタム。荷台にはキャンプギアを素早く展開できるDプロイボックスを装着。ボックスの上に載せたルーフトップテントで大人2人が就寝できる。

▲軽トラの荷台にピッタリ収まるDプロイボックス。スライド式の収納棚やキッチン、キャリアフレームを一体化

▲Dプロイボックスの側面に備わるスライド式キッチン。シンク(流し)も付いていてアウトドア料理が楽しめる

▲キャリアに装着したジェームス・バロウドのハードシェルテント。テント内は長さ2×幅1.3mのベッドになる

▲ジェームス・バロウドはアクセサリーも豊富。後部に取り付けたファルコンシャワーは着替えやシャワーに便利

 

2. ベッドマットに国産デニム生地を採用したアクティブな雰囲気

岡モータース
「ミニチュア クルーズデニム」(乗車4名/就寝2名 232万4300円〜)

軽だからという妥協が一切ナシ。輸入車やキャブコンからのダウンサイザーをも納得させる質感の高さは圧巻(湯目さん)

 

瀬戸内の海をイメージしたデニムのファブリック生地は使い込むほどに風合いが増す。ヴィンテージカラーのキャビネットや調光機能付きLED照明、アイアン(鉄)のハンガーフックやハンドルなど細部の質感にもこだわっている。

 

3. お遍路旅の相棒をコンセプトに和モダンなインテリアが魅力

岡モータース
「ミニチュアクルーズ遍路」(乗車4名/就寝2名 259万9300円〜)

金剛杖ホルダーや菅笠/白衣のフック、納経帳の収納庫が標準装備で、お遍路のアイテムをしっかり運べます(湯目さん)

四国といえばお遍路。香川県高松市にある岡モータース(ミニチュアクルーズシリーズの製造・販売元)ならではのご当地キャンパー。畳風レザーのベッドマットや、間接照明で浮かび上がる飾り障子など「和」の世界を再現。

 

4. カッコかわいいカラーデザインとワイルドな外装パーツが印象的

バンショップミカミ
「テントむしSタイプ[Eパッケージ]」(乗車4名/就寝4名 335万2800円〜)

不動の人気を誇るロングセラーの軽キャブコン(軽トラベースのキャンパー)。外装カスタムでイメージを一新しています(湯目さん)

ヨットを思わせる丸窓のついたエントランスドアやポップなカラーリングなど女性好みの愛らしいルックス。フェンダーカバーやブラックスポークのアルミホイール、バンパーガーニッシュを追加したワイルド仕立て。

▲シェルの塗り分けやテント色など、カラーリングが自由に選べるので、世界でひとつだけのテントむしが作れる

▲横向きシート兼ベッドのSタイプの車内。ほかにリヤシートが前向き/後向き/ベッドになるFタイプも設定している

▲12/13インチのブラックスポークアルミホイールを履かせ、フェンダーカバーを付けたことでスポーティな雰囲気に

▲100Wソーラーパネルを4枚、100Ahのリチウムイオンサブバッテリーを2個積んだ電源強化バージョン

 

5. 組み合わせで用途が変化するリアルウッドを用いた多機能家具

ATV群馬
「バグトラックパネルバン(カーファクトリーターボー)」(乗車2名/就寝2名 352万2500円)

パネルバンの軽キャンは異色。スクエアな庫内をウッド仕立ての小屋、隠れ家に仕立てるアイデアが秀逸です(湯目さん)

上下2分割のバックドアと両側スライドドアを備えたパネルバンがベース。庫内は断熱処理が施され、天井、床、壁まで総ウッド貼り。内装がドンガラ状態のベースキッド、ベッドとキャビネットが備わるフルキットが選べる。

▲ベンチとしても使える、跳ね上げ式ベッド。この状態でキャビネットとの間に自転車やボードなどを積み込める

▲フローリング床と天井、壁面に断熱処理を施し、暑さ/寒さ対策は万全。庫内寸法は奥行き2×幅1.3×高さ1.2m

▲サイドキャビネットと跳ね上げ式のベッドが付くフルキット。バックパネルがくり抜かれ運転席と行き来できるのも使い勝手がいい

6. バンクベッドや窓用エアコンなどを加えた広々快適モデル

マックレー
「エルミタ LIMITED パッケージ」(乗車2名/就寝4名 174万9000円〜)

シェルを荷台から降ろせば軽トラとして使えて、車を乗り換えても使い回せる。積載物だから構造変更も不要です(湯目さん)

軽トラの荷台に載せる「積載物」扱いの着脱式シェル。シェルはアルミフレームにアルミパネルを組み付け、隙間に断熱材を封入。ベッドとシンクが備わるスタンダードパッケージ、装備充実のリミテッドパッケージを設定。

▲トラックの荷台にシェルを載せて仕立てたトラックキャンパー(トラキャン)。就寝人数が4名なのも特徴

 

7. ポップアップルーフ式でソーラーパネルを標準装備

ダイレクトカーズ
「AMAHO(アマホ)」(乗車4名/就寝2名 439万円〜)

フルオープンになるポップアップテントはバルコニー感覚で使えます。このスペースでの星空観測や花火見物は最高です(湯目さん)

女子旅や女子会キャンプをイメージした、パステルカラーの内装色が特徴的。デコタイル調のキッチンとスツール、ピンクのソファベッドも女性を意識したもの。ポップアップテントがフルオープンになり、開放感たっぷり。

▲リヤ3面にシェードと網戸が一体になったアクリル二重窓が備わる。横向きシートはベッドメイクがとても簡単

▲ポップアップルーフが備わる軽キャンの中で、フルオープンになるモデルは少ない。視界が遮られず開放感抜群

 

8. 冷凍冷蔵庫やエアコンなど電装品が充実した豪華仕様

ステージ21
「リゾートデュオ バスキングレグノ」(乗車4名/就寝2名 418万円〜)

リチウムバッテリーとソーラーでエアコンを長時間動かせるので、ペットとのくるま旅も快適に過ごせます(湯目さん)

200Ahの大容量リチウムバッテリーと180Wのソーラーパネルを搭載。遠赤外線カーボン床暖房やエアコン、冷凍冷蔵庫、電子レンジなど、上級キャンパーに匹敵するアイテムをフル装備。オールシーズン快適に過ごせる。

▲電子レンジとエアコン、シンクは助手席側のキャビネットに集約。15インチのフリップダウンモニターも標準装備する豪華仕様

 

9. 大人が立って歩ける驚異の室内高で車内は超〜広々!

M.Y.Sミスティック
「Mini Pop Bee AG(アクティブギア)パッケージ」(乗車4名/就寝4名 373万2800円〜)

こんなにコンパクトなのに4人就寝できるのが驚き。クロカン四駆風のルックスはアウトドアシーンに映えます(湯目さん)

▲ルーフを閉じると全高2m以下に収まり、自走式の立体駐車場にも乗り入れられる。アオリ戸がテーブルになる

軽トラの荷台にアルミサイディングのシェルを架装。垂直に持ち上がるエレベーティングルーフは高さが1.8mを超え、体を屈めず車内を移動できる。就寝スペースはソファベッドとルーフ内の2カ所。家族4人で寝られる。

▲対面式ソファをベッドにすると長さ1.8×幅1.4m、スライド式バンクベッドは長さ1.9m。見た目以上に広い

 

10. 富士山麓でとれた良質の「富士ひのき」を随所に使用

三島ダイハツ
「Quokka(クオッカ)」(乗車2名/就寝2名 247万9400円〜)

ひのきが車内の湿度と温度を調整し、心地良い空間を演出。木材の隙間や反りが出るのは木が呼吸している証(湯目さん)

▲ダイハツのパネルバンをベースに、オプションのデカールを貼ってドレスアップ。ルーフキャリアを備え、積載性を向上

ハイゼットトラック・パネルバンの庫内を富士山麓で育った「富士ひのき」で包み込み、山小屋のような温もり空間に仕立てた一台。テーブルとトランスフォーメーションボックスを組み合わせることで、車内レイアウトを自在にアレンジできる。

▲両サイドとバックドアが開くので開放感抜群。テーブルとトランスフォーメーションボックスは車外でも使える

 

■軽自動車にも大画面カーナビを装着可能

通常、カーナビの取り付けは2DINスペース(幅178mm、高さ100mm)への7型モデルまで。それを超える大画面は専用の取り付けキットに対応する一部車種だけだった。そんな常識を打ち破ったのが、ストラーダのFシリーズ。大画面カーナビが軽キャンパーを含め、460車種以上に取り付け可能になる。

▼460車種以上に対応。エンタメ機能も充実!

パナソニック
「ストラーダ CN-F1X10BLD」(実勢価格:21万円前後)

ショー会場の軽キャンパーには10V型大画面の有機ELディスプレイ搭載モデルを装着し展示。安全・安心運転サポートや国内市販AV一体モデルとして唯一のブルーレイ再生機能が自慢。

>> 【特集】趣味時間 傑作ヒットモノ最前線

※2021年5月6日発売「GoodsPress」6月号60-63ページの記事をもとに構成しています

<取材/アレーワークス 撮影/澤田和久>

 

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