<不自由を自由にする野営スタイル>
「不自由は自由だ!」をモットーに、不便がいっぱいな自然の中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしているRYUです。
突然ですが、皆さん、「デブリハット」ってご存知ですか? 簡単にいうと、枝と枯葉や葉っぱで作るシェルターのこと。つまり、テントやタープ、軍幕など、風雨をしのぐものがない時に、山の中にあるものだけで、雨や風などから身を守り、ビバーク(緊急時に宿泊して、身の安全を確保する)するためのものです。
そもそもキャンプを始めたきっかけが、登山時のビバークを想定してのことだったので、以前から作りたかったのですが、想像するだけで作るのが大変そうだということ、いつもキャンプしている場所ではデブリハットを作成するのに適した素材、つまり、枝や枯葉、葉っぱなどが豊富にないことを理由に、今まで敬遠してました。
しかし今回、どれくらい大変か知らないで、いざという時には備えられないと思い、重い腰をあげて作りました。
最初に作ってみた感想を述べますと「もう2度と作りたくない!」というのが本音。
作ること自体は、材料が手元に揃っていれば1時間ほど、いや、30分ほどで作れると思います。しかし、材料調達が本当に大変でした。
そんなデブリハットの作り方や苦労した点、コツなどを今回はご紹介します!
■デブリハットの作り方
先述しましたが、デブリハットの作り方は至って簡単。工程は、太い枝でトライポッドに骨組みを組む→骨組みに枝を立てかける→枝を横方向に組む→葉っぱで覆うだけ。
材料さえちゃんと集められれば、誰でも作れます!
1.太くて、長い枝をたくさん調達する
デブリハットは、なるべく太くて、長い枝をたくさん用意します。
必要な枝の量は、一回に抱えて持てる量の、10倍から20倍。たくさんの枝や葉っぱがあった方が雨風をしのげます。
そして、太い枝というのも、下の写真の倍くらいある枝の方が良かったのですが、あまりそれに相応しい枝がなく、仕方なく、これくらいの枝で作ったので、苦労しました。
2.骨組みを作る
デブリハットは、立木を利用する方法もあって、本来はそちらの方が簡単でシェルターには相応しいのですが、今回はあえて立木なしの骨組みから作る方法作りました。
骨組みのメインになる枝(なるべく太い枝)を3本、トライポットのように組みます。先端がY字になっている枝を使うと組みやすいですよ。
長さは、写真手前の2本が2mほど、後ろ側の1本が2.5〜3mくらい。この3本に枝を立てかけていくので、できる限り、丈夫な枝を選びましょう。
この3本をロープなどで固定しても良いのですが、今回はビバークを想定して、ロープも使わずにどこまでできるか、試してみました。
3.寝心地を確かめるために一度寝てみる
通常のキャンプでも大事なことですが、寝心地が悪いと一晩中ストレスなので、テントを張る前に一度、張ろうと思っている場所に寝てみてください。その地面の寝心地を確かめられます。テントを張ってから寝心地が悪くて、また違う場所に張り直すのって面倒ですしね。
デブリハットの場合は、骨組みの段階で、サイズ感などもチェックできるので、一度、ゴロンしてみました。
4.骨組みに枝を立てかけていく
2で組んだ骨組みに、枝を立てかけていきます。もっともっと太い枝を使えれば楽ですが…なるべく隙間がないように枝を立てかけていきます。
このくらいの太さの枝の場合は、枝についている細い枝は落とさずに、そのまま使いましょう。そうすることで、この作業以降が多少、楽になります。
5.横方向に枝を通していく
4で、ある程度立てかけたら、細い枝に引っ掛けるように、今度は横に枝を差し込んで行きます。つまり、格子状にしていく感じです。
あとは4〜5を繰り返し、なるべく隙間がない状態を作ります。今回は材料の手配の都合と体力の問題で、上の写真レベルで力尽きましたが、本来は、この倍くらいの枝があった方がベターです。
ちなみに、これくらいの量を集めだけで2時間くらいかかってます。とにかく、材料手配に時間がかかりました。
余談ですが、上の写真のように、枝を組むのが未完成の状態で、寝袋やマットを中に入れてしまうのは、やめましょう!
悪い例です。このあと、もう少し枝を追加してから葉っぱをかけるのですが、隙間が多いと、葉っぱが枝に引っかからず、そのまま落ちて寝袋が覆われるだけだからです!
6.組んだ木材に葉っぱをかける
ある程度、隙間がなくなったら、葉っぱを被せていくのですが、本来は、葉の大きなものが良いのですが、緑の葉っぱは伐採しない方がいいので枯葉をチョイス。
上の写真で持っているのは杉の葉なのですが、今回のデブリハットは隙間が多く、普通の落ち葉は骨組みを簡単にスルーして下に落ちたので、枝が少し付いていて、引っかかりやすい杉をチョイスしました。
しかし、これを集めるのが相当大変です。山を少し登ったところに落ちているのと、1本1本が細いので、これも集めるのに2時間くらいかかりました。ちなみに、上の写真の10倍は集めてます。
このように、葉を敷き詰めていきます。これでも全然足りないのですが、ここで力尽きました。笑
■デブリハットを作ってみて
山といえど、場所によって材料が簡単に調達できない場所では、デブリハットを作るのは本当に苦労しました。
もしこれが、極寒であったり、雨風が吹いている状況の中でのビバークとしてのデブリハット作りであったら、と思うとゾッとします。私のスキルの問題もありますが、これだけ作るのに4時間以上かかったので、これではビバークとしては使えません。
なのでデブリハットを作るなら、もっと材料が豊富にある場所を選ぶことが番大事なだと感じました。また材料が豊富にない場合は、地形や生えている木を利用して、なるべく自分が作る部分を減らすことも大事だと思います。
本当に苦労しましたし、遊びでは2度と作りたくないと思いましたが、もっと枝が落ちてる場所で、ちゃんと練習する必要もあると感じました。
ちなみに、今回このデブリハット作るに当たっては、ノコギリとナイフを少し使用しましたが、これも、なるべく作業しなくてもいい枝を選定できるのであれば、それがベスト。体力を無駄に消耗しないことも、ビバークでは大事な要素なので。
もし興味を持った方がいたら、一度挑戦してみてください!
(文・写真/RYU)
RYU/「不自由は自由だ!」をモットーに、不便さの中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしております。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」
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