日本を含むアジア太平洋地域における5Gの通信速度、ユーザー体感、4Gからの速度向上、利用可能な時間・エリアの比較結果をモバイル通信調査会社のOpensignalが発表しました。
日本の5Gダウンロード速度は180.9Mbps
Opensignalによると、5Gの通信速度は、ダウンロード速度、最大ダウンロード速度、アップロード速度の3項目で、韓国と台湾が1位と2位を争っています。
日本は、ダウンロード速度は180.9Mbps(4位)、ピークダウンロード速度は664.2Mbps(3位)、アップロード速度は12.5Mbps(7位)でした。
日本、ビデオ、ゲーム、音声通話のユーザー体感で最下位
ビデオ、ゲーム、音声通話アプリにおける、遅延などを含めたユーザー体感(エクスペリエンス)でも、台湾と韓国が上位を占めていますが、ゲームではシンガポールが2位に入っています。
日本は、3部門において8の国・地域中で最下位となっています。
ビデオのユーザー体感、日本は4Gと5Gで変化なし
4Gから5Gに移行することで、ダウンロード速度とビデオのユーザー体感の改善度合いを示したのが以下のグラフです。
5Gのダウンロードスピード(上グラフ)は、フィリピンと台湾では4Gの10.4倍もの高速化を果たしています。日本は、3.8倍の高速化が実現しています。
ビデオのユーザー体感の改善率(%)は、フィリピンが29%、タイが28%と改善されている一方、日本は0%で、4Gと5Gの差がないという結果になりました。
5G接続可能な時間・エリアで日本は最下位に沈む
ネットワークへの接続時間中、5Gに接続可能な時間を示す利用率(左グラフ)は、香港が27.0%、韓国が26.7%、台湾が23.8%と2割を超えています。日本は2.0%にとどまり、8の国・地域中で最下位でした。
5Gが利用可能な地域のスコア(10点満点)は、香港が6.2でトップ、韓国が5.8、台湾が5.0などと続いています。日本は1.0で、こちらも最下位となりました。
5Gサービス開始で出遅れた日本
Opensignalは、日本のスコアが全体的に低いことについて、キャリア各社による5G商用サービス開始が3大キャリア(ソフトバンク、NTTドコモ、au)で2020年春、楽天モバイルは2020年秋と、他国と比べて遅かったため、ネットワークが整備途上にあるのが原因と説明しています。
また、日本の5Gネットワークは、5G専用のスタンドアローン(SA)型よりも、既存の4G設備を活用してスピーディーな普及が可能なノンスタンドアローン(NSA)型が中心で、5Gのメリットを活かしきれていないためと考えられます。
日本のキャリア4社は、4G通信では世界のキャリア各社の中でもトップクラスの結果を残していただけに、5Gでも各社の積極的な投資がユーザー体験の向上につながることを期待したいところです。
Source:Opensignal
Photo:Apple
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-375816/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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