米国時間6月21日朝、現代自動車がBoston Dynamicsの買収を完了したという発表に続き、別の自動車会社からもロボティクス関連のニュースが発表された。今回のToyota Research Institute(TRI、トヨタ・リサーチ・インスティテュート)の発表は、そのような大ニュースに比べると衝撃的なものではなく、むしろ同部門が取り組んできたことの進捗状況を確認するものといえる。
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もちろんロボティクスに関しては、段階的な更新が最も肝心な部分であることが多い。今回の発表は、TRIが家庭内で行ってきた研究に興味深い光を当てている。同社は、家事労働を行うために設計されたロボットの重要な進展を発表した。
「TRIのロボット研究者たちは、さまざまな状況下で透明または反射する表面を認識して反応するなど、他の多くのロボットが困惑するような複雑な状況を理解して動作するようにロボットを訓練することに成功しました」と、同研究所はブログ記事で書いている。
キッチンのような環境では、ロボットはさまざまな透明表面や反射面に出くわすが、これは従来のビジョンシステムにとってはハードルが高いものだった。特にキッチンでは、透明なガラスや反射する家電などが問題になる。
TRIロボティクスの副社長であるMax Bajracharya(マックス・バジュラチャリア)氏は、研究について次のように述べている。「この問題を解決するために、TRIロボティクスの研究者たちは、物体や表面を検出しながら同時に、環境の3D形状を知覚するための新しい学習方法を開発しました。この組み合わせにより、研究者は大量の合成データを使ってシステムを訓練することができます」。また、合成データを使用することで、時間やコストのかかる実用的でないデータ収集やラベリングの必要性を軽減できるという。
日本では高齢化が進んでいることから、トヨタはロボット研究を進める上で、高齢者介護を重要なテーマとしている。そのため、このようなロボティクスの課題が分野の研究の中核をなしていることは非常に理に適っているし、同社のWoven Cityでの研究にもつながる。Samsung(サムスン)のような企業がロボット製品分野に声高に参入する前に、トヨタがこの分野に力を入れていたことは評価されるべきだろう。
「自分の家により長く住み、自立した生活を送ることだけが目的ではありません」とバジュラチャリア氏は最近インタビューに答えてくれた。「そういう面もありますが、日本では20~30年後には、65歳以上の人口と65歳未満の人口がほぼ同数になると言われています。これは労働力という点で、社会経済的に非常に興味深い影響を与えるでしょう。トヨタでは、このような人々が仕事を続け、仕事をすることで充実感を得たり、より長く家に住めるようにするにはどうしたらよいかを考えています。ただ人を置き換えるだけではありません。当社は、人間を中心に据え、人間を増幅させることを考えています」。
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カテゴリー:ロボティクス
タグ:Toyota Research Institute、日本、家事
画像クレジット:Toyota Research Institute
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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/06/22/2021-06-21-toyota-research-institute-shows-how-its-robotics-work-with-difficult-surfaces-in-the-home/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Brian Heater,Aya Nakazato
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