株式会社YOJO Technologiesは、医師の辻氏と機械学習エンジニアの上野氏の2名により、2018年12月に創業したスタートアップ。LINEで医療相談や医薬品購入・服薬フォローなどを一気通貫で提供するオンライン薬局「YOJO」を提供中です。
サービス開始当初は、漢方をはじめとする市販薬を中心に取り扱っていましたが、2021年2月に保険薬局の指定を受け、本格的にオンライン服薬指導による処方薬領域にも参入。薬剤師のリモートワーク体制を構築し、新たな働き方を創出していることもポイントです。そこで今回は、「患者満足度世界一の医療機関になる」というミッション実現を目指す同社にフォーカスしてみましょう。
服用している薬を一元管理
「YOJO」は、LINEで体質に関する質問に回答し、チャットで薬剤師に体調について相談することで、個々に合った薬を提案、自宅のポストに配送してもらえるサービスです。また、体質改善のためのコラムも配信しています。
ユーザー層としては、20代~50代の不定愁訴(明らかな原因が認められないまま、さまざまな症状を訴え続ける状態)に悩む女性を中心としているようです。不定愁訴に悩む女性の多くは、処方薬・市販薬・サプリのような健康食品などを併用していて、「YOJO」ユーザーの75%はすべてを一元管理することで飲み合わせの確認や適切な服薬フォローを希望しているといいます。
同サービスでは、薬剤師のチャット対応を効率化するシステムを導入し、専門性を活かした会話や寄り添いに注力することを実現。さらに2020年9月には、薬剤師と直接話せる無料通話機能も追加しました。このように、薬剤師がまるで健康パーソナルコーチのような役割を果たすことで、ユーザーの満足度向上を促しています。
さらなるアップデートを予定
2021年7月7日時点でLINE登録者数9万人を突破した同サービス。多くのユーザーの対応には、効率化が欠かせません。先述のチャット対応を効率化するシステムにより、薬剤師1名が1日に対応できる人数は500名となり、サービス開始当初と比較して生産性は10倍になったといいます。
今後は、自動化の促進や返信内容のリコメンド機能の追加、ユーザーデータをもとに医薬品やアドバイスのパーソナライズ提案の質を自動で改善するアルゴリズムの開発などを行い、業務効率化とUX向上を図っていくとのことです。そのために、株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズとANRI株式会社を引受先とする第三者割当増資により2.5億円の資金調達を実施しています。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/157758
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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