レアメタル溶媒抽出技術エマルションフローで都市鉱山リサイクルを目指すエマルションフローテクノロジーズが資金調達

「都市鉱山」レアメタルのリサイクル技術「エマルションフロー」活用した事業化を目指すエマルションフローテクノロジーズが8000万円調達

日本原子力開発機構(原子力機構)発のレアメタルリサイクルベンチャー「エマルションフローテクノロジーズ」(EFT)は7月14日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による8000万円の資金調達を発表した。引受先は、リアルテックホールディングスが運営するリアルテックファンド。エマルションフローとは、原子力機構で開発されたレアメタルのリサイクル関連技術のこと。EFTは、この技術を事業化するため、6社目となる原子力機構発ベンチャー企業に認定された。

「都市鉱山」レアメタルのリサイクル技術「エマルションフロー」活用した事業化を目指すエマルションフローテクノロジーズが8000万円調達

いわゆる「都市鉱山」に眠るレアメタルの回収は大きな社会的課題となっているが、レアメタルのリサイクルには溶媒抽出という水と油を混合させて行う技術が用いられている。現在使われているミキサーセトラーという方式は、混ぜて、静かに置いて、分離するという3工程を必要とするもので、大型装置で時間をかけて行わなければならず、排水に油が混入するなど環境負荷の問題もある。

それに対して新しいエマルションフローは「送液のみ」のみの1工程で済む。この方式により、生産性は10倍(1/10にダウンサイジング)、ランニングコストは1/5、精製純度は99.99%以上となり、分離困難だった元素(レアアースなど)の精製、作業環境の改善、油と水の分離能力の向上による排水のクリーン化が実現した。原子力機構の研究室で偶然発見された「水と油が細かくよく混ざりながらもきれいに分離する」という現象にヒントを得て、この革新的な溶媒抽出法であるエマルションフローが開発されたとのことだ。

「都市鉱山」レアメタルのリサイクル技術「エマルションフロー」活用した事業化を目指すエマルションフローテクノロジーズが8000万円調達

EFTのレアメタルリサイクル事業では、エマルションフロー技術を用いることで、リチウムイオン電池などに含まれるレアメタルを低コストで高純度に回収する技術を確立し、「都市鉱山」から回収したレアメタルをハイテク産業に直接再利用できる「水平リサイクル」の実現を目指すという。

今回の資金調達でEFTは、第5世代のエマルションフロー装置のスケールアップ、レアメタルリサイクル事業とトータルサポート事業の推進を行う。

「都市鉱山」レアメタルのリサイクル技術「エマルションフロー」活用した事業化を目指すエマルションフローテクノロジーズが8000万円調達

関連記事
バッテリーリサイクルRedwood Materialsが拡大の一環としてテスラギガファクトリーの近くに拠点設置
デュポンとVCはリチウム採掘が電動化が進む未来に向けての超重要な投資先だと考える
バイデン大統領が半導体・EVバッテリーなど4品目のサプライチェーン見直しを要求する大統領令に署名
アマゾンとパナソニックが注目するバッテリーリサイクルスタートアップRedwood Materials

カテゴリー:EnviroTech
タグ:エマルションフローテクノロジーズ(企業)カーボンニュートラル(用語)都市鉱山(用語)リサイクル(用語)レアメタル / 希少金属(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)


Amazonベストセラー

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA