米国の制裁が続き、スマートフォンの新モデルを投入できない状況が続いているファーウェイ。そんな同社が取った戦略は、“スマホ以外”の製品を拡充することです。
ファーウェイの日本法人は、7月13日にオンラインで新製品発表会を開催しましたが、そこで発表されたのも、PC、モニター、タブレット、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤホンでした。このうち、タブレットの「MatePad 11」とスマートウォッチの「HUAWEI WATCH 3」には、ファーウェイの独自OSである「HarmonyOS 2」が搭載されています。
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PCやスマートウォッチなど、“スマホ以外”に製品ジャンルを拡大しているファーウェイ
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PC用モニターの「MateView」も日本で発売する
これに対し、ファーウェイはGMSの代わりに「HMS(Huawei Mobile Services)」と呼ばれるサービスを立ち上げ、グーグルの「Playストア」に代わる「App Gallery」を導入します。Androidでありながら、グーグルのサービスではなく、ファーウェイのサービスを使えるようにしたというわけです。半導体は、PCがインテル製、タブレットはクアルコム製、取引が許可されている大手ベンダーから調達したものが採用されています。
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MatePad 11のスペック。チップセットはKirinではなく、クアルコムのSnapdragon 865が搭載されている
こうしたファーウェイの戦略を支えているのが独自OS。上記の通り、スマホやタブレットはAndroidの上に載せるサービスをGMSからHMSに変更していましたが、これを発展させたのがMatePad 11に搭載されているHarmonyOSです。調和(ハーモニー)をその名にしているとおり、端末同士の連携が容易にできることを最大の特徴に掲げています。
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タブレットやスマートウォッチは、HamornyOSを搭載する
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タブレット側からスマホを操作したり、PCのサブディスプレイとしてタブレットを使えたりと、デバイス同士を連携させる機能が充実している
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ユーザーインターフェイスは、HMSを搭載していたときのAndroidに近い
スマホに比べ、タブレットはAndroidの競合が少なく、アプリの数も限定的。App Galleryでタブレットならではの用途を満たすことがきちんとできれば、チャンスはスマホより大きくなりそうです。グーグルの力が相対的に弱いスマートウォッチにも、同様のことが言えます。ただ、連携の中心になるスマホが不在になってしまうため、HamornyOSの力が十分生かされない可能性もあります。半導体の規制でチップセットの調達が思うようにできない中、ファーウェイが次の一手をどう打ち出してくるのかは注目しておきたいポイントと言えるでしょう。
(文・石野純也)
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- Author:Techable編集部
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