Porterの共同創業者であるTrevor Shim(トレバー・シム)氏とAlexander Belanger(アレクサンダー・ベレンジャー)氏とJustin Rhee(ジャスティン・リー)氏がDevOpsに関する企業を作ろうと決心したとき、彼らはすでにKubernetesのリモート開発を良く知っていた。そして他のユーザーと同様に、彼らも頻繁にその技術で痛い思いをしていた。
リー氏によると、確かに技術というレベルではすばらしいが、ソリューションをホストするときの面倒さや大きなDevOpsチームを維持する費用の負担もユーザーの仕事になる。
そこで彼らは、ソリューションを外で作ることにしたが、2020年にY Combinatorの夏季に参加したとき、同じやり方をしているスタートアップがいくつもあることに気づいた。
米国時間7月30日、PorterはVenrockやTranslink Capital、Soma Capital、および数名のエンジェル投資家からの150万ドル(約1億6000万円)のシードラウンドを発表した。その目標は、どんなチームでもそれを使ってアプリケーションを自分のクラウドで管理でき、Herokuのような体験を通じてKubernetesの完全な柔軟性を提供できるような、PaaSを開発することだ。
なぜHerokuか? それはデベロッパーが使い慣れているホスティングプラットフォームであり、しかも小企業だけでなく、後期段階の企業も使っている。シム氏によると、Amazon Web ServicesやGoogle Cloud、DigitalOceanなどに移行したくなったら、Porterはそのための橋になるだろう。
しかし、Herokuは依然として広く使われてはいるものの、企業はそのプラットフォームがもう古い、昔から何も変わっていない、と感じている。リー氏によると、毎年のように、技術的限界と費用を理由としてこのプラットフォームから他へ移行する企業が絶えない。
彼によると、Porterで重要なのはホスティングに関しては課金しないことだ。その費用は純粋にSaaSプロダクトのそれだ。彼らはプラットフォームの再販を志向してはいないので、ユーザー企業は自分のクラウドを使えるが、しかしPorterはオートメーションを提供し、ユーザーはAWSやGCPのクレジットで払えるから、柔軟性がある。
最もよくあるパターンはKubernetesへ移行することだが、しかし「あえて皮肉を言えば」、もしもHerokuが2021年に作られていたら、Kubernetesを使っていただろう。シム氏はそう付け加えた。「自分たちはHerokuの後継者を自負している」。
シム氏はさらに、「そんな橋になるために今度の資金で技術の幅を広げて、『すべてのスタートアップのためのデファクトスタンダードになる』ことを目標にしたい」という。
VenrockのパートナーであるEthan Batraski(イーサン・バトラスキー)氏によると、Porterのプラットフォームが動き始めたのは2月で、それから6カ月後には6番目に速く成長しているオープンソースのプラットフォームとしてGitHubでダウンロードされている。彼はYCでPorterに会い、リー氏とシム氏のビジョンに感銘を受けたという。
バトラスキー氏はこ「Herokuには10万名のデベロッパーがいますが、今では停滞していると思います。Porterのプラットフォーム上にはすでに100社のスタートアップがいます。彼らが達成した4倍から5倍の成長は、現時点ではむしろ当然の現象です」という。
彼の会社は長年データのインフラストラクチャにフォーカスしてきたが、そのスタックは今や相当に複雑だ。そして「それなのに、1週間ほどでアプリを作ってそれを数百万人のユーザーにまでスケールしたい、と考えるデベロッパーがますます増えている。でもそのためには人がたくさん必要だ。しかしKubernetesを使えば、誰もが知らない間にエキスパートのデベロッパーになれる」。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Porter、DevOps、Kubernetes、PaaS、資金調達
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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/08/01/2021-07-30-platform-as-a-service-startup-porter-aims-to-become-go-to-platform-for-deploying-managing-cloud-based-apps/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Christine Hall,Hiroshi Iwatani
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