Suicaが誕生20周年〜Apple Payでのサービス開始から5年

Suica20周年
 
東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)がIC乗車券としてサービスを開始した「Suica」が2021年11月18日に誕生から20周年を迎えます。
 

当初は、乗車券としてサービスイン

首都圏を中心に利用されている交通系ICカード「Suica」は、2001年11月18日に首都圏424駅で利用できるIC乗車券としてサービスを開始しました。その名称は、「スイスイ」行ける「IC」「カード」として、「Super Urban Intelligent CArd」の頭文字が採用されています。
 
その後、2004年3月には、Suicaは乗車券としての役割だけでなく、電子マネーとしてのサービスを開始、今も多くの人に利用されています。

「モバイルSuica」「Apple PayのSuica」誕生でカードレスに

電子マネーとして利用できるようになってからわずか2年足らずの、2006年、Suicaは携帯電話(いわゆるガラケー、フィーチャーフォン)への搭載を実現します。また、2011年にはスマートフォン(Android)にも対応し、カードレスでの利用が一段と高まることになります。
 
この時点では、まだiPhoneには対応していなかったため、iPhoneユーザーが多い日本では、Suicaの実物カードを収納することのできるケースなどが多く出回ることになります。
 
そして、Androidから遅れること5年、2016年9月8日午前2時から開催されたAppleスペシャルイベントにおいて、「Apple PayのSuica」が大々的に発表され、同年10月25日にサービスが開始されました。当時は首都圏の各駅で大掛かりなプロモーションが行われ、Suicaのカードレス化が一気に進むことになりました。

今や首都圏では欠かせないインフラに〜一方で課題も

当初、首都圏424駅で利用できるIC乗車券として始まったSuicaですが、今では、JR東日本管内で840駅、全国相互利用対象エリアでは、およそ5,000駅、対応バス車両はおよそ50,000台という、生活に欠かせない存在となりました(2021年4月1日現在)。
 
また、首都圏では電子マネーとしての利用も活発で、改札はもちろんのこと、コインロッカーでもSuicaのみに対応したものが設置されているほどです。その証拠におよそ120万もの店舗で電子マネーとして利用可能となっています(2021年8月末現在)。
 
AndroidやiPhoneへの対応により、首都圏以外の全国の相互利用対象エリアでの普及が見込まれたSuicaですが、首都圏以外では、そもそも交通系ICに馴染みが薄かったり、Suicaでは地元の路線の定期券を購入できないなどの制約から、まだまだ全国に浸透しているとは言い難い状況です。
 
実際に、JR西日本が「モバイルICOCA(仮称)」の構想を発表(導入開始は2023年春を予定)したり、電子マネーとして人気の根強い「WAON」「nanaco」が2021年中のApple Pay対応を表明するなど、Suicaブランドが全国に普及するには、今後もさまざまな課題が待ち受けています。

 

 
 
Source:東日本旅客鉄道(PDF)
(藤田尚眞)


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