「Apple Watch Series 7」先行レビュー!画面が大きくなり充電速度がアップ!

10月15日に発売される予定の「Apple Watch Series 7」。今回、発売前の実機に触れる機会を得ましたので、試用したうえでのインプレッションをお届けしたいと思います。

 

■新しいグリーンのケース

最近のApple製品はカラフルですよね。Apple Watch Series 7も例に漏れず、さまざまなケースの仕上げが用意されています。公式サイトをチェックすると「シルバー/ブルー/ミッドナイト/スターライト/グリーン/ゴールド/グラファイト/スペースブラック/チタニウム/(PRODUCT)RED」の10色があるようです。今回試用したのは「グリーン」のアルミニウムケース(45mmモデル)。Series 7からの新色です。

こちらのケース、夕方に蛍光灯下でパッと見ると「あれ? ブラックだったかな」と疑うような深みのある色です。しかし、窓際の光とか撮影用のLEDライトとかが当たると、チラッと鮮やかなグリーンが見えて「あ、やっぱりグリーンですね、失礼しました」となりました。

▲「グリーン」のアルミニウムケース

これ何色って言うんでしょうね。なかなか見かけない緑です。伝統色でいう「高麗納戸(こうらいなんど)」とかが近いような気がしますが、実物はもう少し深みがあって光沢感が入った感じ。よくあるアーミー系のグリーンとは全く違うので、文字盤やバンドを工夫すれば、スーツや和装など割とお堅めの装いにも合わせやすいんじゃいだろうか、とも思います。

▲光の当たり方によって緑色が控えめなアクセントになる

ケース自体のサイズは、従来の40mm or 44mmというバリエーションが、それぞれ+1mm増えて、41mm or 45mmに微増しています。ただし、外観の差は旧モデルと並べて見ても気付かないですね、画面が消えていれば…。

 

■大きくなったディスプレイをチェック

Series 7の最大の変化はやはり画面が大きくなったことです。ディスプレイのコーナーが丸くなった「Series 4」以降、ディスプレイ仕様に不満を感じたことはあまりありませんでしたが、今回の「Apple Watch Series 7」はさらに広くなりました。併売されている「Apple Watch SE」と比べると約20%広く、「Series 3」と比べると50%以上広くなっています。

新モデルを過去モデルと比べてみると表示領域が全然違います。試しにマップアプリを起動してみましたが、思っていたよりも差を感じました。ケースサイズはほとんど変わらないのに、見やすさは一段階UPした印象。

▲Series 7の45mmモデル(左)と、Series 4の44mmモデル(右)を比較。「マップ」アプリ画面のように全画面を使う場合には差がよくわかる

▲同じくアプリ一覧画面。こちらの差は微々たるもの

また、これだけベゼルを薄くしておいて、前面のクリスタルガラスは50%以上厚いものになっていたり、シリーズで初めて防塵性能の認定を受けていたり、と堅牢性がむしろ上がっているのがすごいところ。完成度高いなぁという印象を受けました。

▲フォントサイズは従来より大きくする選択肢が3つ増えていることもポイント

▲おなじ「メリディアン」文字盤でも、古い世代と並べるとかなり見た目が変わっている

ディスプレイが大きくなったことに伴って追加された文字盤としては、公式写真にも使われている「輪郭」が気になるところ。さっそく試して見ました。

▲新しい「輪郭」文字盤

インデックスが、数字を崩したデザインで構成されているのはおしゃれな感じ。「常時表示」のデザインもすっきりしていて格好良いので、普段使いには良さそうです。タップした時にはうねうねとアニメーションで動きます(ちなみに、Digital Crownをぐりぐり回すと、うねうねさせつつ好きな位置を太字に調整できます)。

 

▲「輪郭」文字盤をタップしたときのアニメーション

▲「輪郭」文字盤の常時表示

そのほか、画面サイズの拡大に伴うトピックとしては、英語と中国語はソフトウエアキーボードでの文字入力にも対応したことにも注目です。しかし、残念ながら日本語は非対応。新モデルでも音声入力が主な入力手段なのは変わりません。こちらは今後のOSアップデートに期待したいところですね。

▲「メッセージ」アプリ等で、キーボードの「English」を選べば英字入力はソフトウェアキーボードでできる。しかし、日本語は非対応

 

■充電速度がアップしている

充電周りのアーキテクチャが刷新され、充電スピードが上がったこともApple Watch Series 7の特徴です。同梱されている充電ケーブルはUSB Type-C接続で、マグネット部分の裏面はシルバー。コンセントに差し込む充電器部分は同梱されていないので、自分で用意する必要があります。ちなみに、新しいケーブルは、旧モデルのApple Watchでも充電に使えますが、高速充電にはなりません。

▲Type-Cコネクタになった充電器

公式サイトの表記を確認すると、但し書きありで「最大33%速い充電時間」と表記されています。但し書きを確認すると、ざっくりと「Apple Watch磁気高速充電USB-Cケーブル(モデルA2515)にApple 20W USB-C電源アダプタ(モデルA2305)を接続したApple Watch Series 7の試作ハードウェア」と「Apple Watch磁気充電ケーブル(モデルA2255およびA2256)とApple 5W USB電源アダプタ(モデルA1385)を接続したApple Watch Series 6」を使用したとの旨が記載されていました。

とりあえず「20W以上の充電器」を使っておけば良さそうですね。

ということで手元にあったBelkin製の27W充電器に、純正ケーブルを使用して充電速度を測ってみました。8分の充電で8時間までの睡眠トラッキングができると言われているので、具体的に8分で何%チャージされるのか検証です。

残量50%の状態から、上記の条件で8分間充電してみます。

▲50%から充電開始して8分後、表示は63%まで増えていた

結果、8分後には63%まで充電されていました。これは確かに速い。手元のSeries 4の環境だと、8分間で50→56%くらいまでしか充電できないので、充電速度的には2倍を超えてそうですね。

これだけ速く充電できると、仕事から帰ってきたあとにすぐランニングに行きたいような人にも嬉しいですし、充電し損ねて寝てしまった翌朝の充電も短時間で済みそうです。

*  *  *

今回、watchOSに依存するApple Watchの機能面にはあまり触れていませんが、各種ワークアウトの測定や、睡眠や心拍数といったライフログデータの取得、アラームやタイマーの設定など、Apple Watchには便利な機能が盛り沢山です。最近では、マスクを装着している状態でも、Apple Watchさえつけていれば接続を認識してiPhoneのFace IDを使わずにロック解除ができるなどのメリットがあります。

最後になりましたが、Apple Watch Series 7の価格は、「GPSモデル」が4万8800円〜、モバイル通信に対応する「GPS+Cellularモデル」6万800円〜です。

昨年の「Series 6」は見送ったという既存ユーザーも、これからはじめてApple Watchに挑戦するという方も、大きくハードウエアが進化した今季モデルには要注目です。

>> Apple「Apple Watch Series 7」

 

<取材・文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter

 

 

 

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