米国マサチューセッツ工科大学の研究チームは、ロボットに「社会的コミュニケーション」を行わせるための機械学習システムを開発したと発表しました。
人を助けたり、邪魔したりする
高度に進化を続けるロボットは、私たちのために食べ物を配送・配膳したり、ゴルフボールを正確な方向に打ったりと、さまざまな作業を行うことができるようになりました。しかし、どれほど高性能のロボットでも、人の生活に必要不可欠な基本的な社会的コミュニケーションをとることは困難でした。
同大学の研究チームは、ロボットに対して「人を助けたり、邪魔したりする」ことの意味を教え、社会的に適切な対応とは何かを自ら学習させるためのソフトウェアフレームワークを開発したといいます。
この機械学習システムを活用することで、ロボットは仲間のロボットを観察し、その仲間が実行したいタスクを推測。そして、自分自身にセッティングされた「目標」に基づいて仲間を助けたり、あるいは妨害したりすることができるようになるのです。
人とロボットの距離が縮まる
このように、ロボットにソーシャルスキルを学習させることで、これまで以上に人間とロボットの関わり合いがスムーズになる可能性があります。例えば、老人ホームにロボットが配置されたとすると、生活者に対して「気配り」を行いながら、生活をサポートすることができるようになるかもしれません。
また、このシステムを応用すると、「社会的コミュニケーションスキル」を定量的に測定することが可能になるため、心理学者が自閉症を研究したり、抗うつ薬の効果を分析したりするのに役立つ可能性もあるようです。
「ロボットは近い将来、もっと私たちの生活に密着することになるでしょう。そこでは、人間独自のコミュニケーション方法を学んでいく必要があります。例えば、今は助ける時であるのか、そうでないのか。行動すべきときはいつなのか、などです。私たちの研究はまだ始まったばかりですが、人間とロボットが社会的にコミュニケーションを取っていくための大切な一歩になったと思っています」と、研究チーム主任のBoris Katz氏はコメントしています。
(文・Takeuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/166486
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:takeuchi
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