QualcommとAMD、Appleに押し出され3nmチップをSamsungで製造?

AMDのRyzen
 
AppleTSMCの先端プロセス最大の顧客であり、両社は良好な関係を築いています。
 
次世代の3nmプロセスチップ製造においてもこの関係は続くとみられ、TSMCに需要を満たすだけの製造能力が残されていない場合、QualcommやAMDはSamsungでの3nmチップ製造をおこなうかもしれません

TSMCの5nmウェハ出荷量の53%はAppleが占める

TSMCはiPhone向けのAシリーズやMac向けのMシリーズの製造を担当しており、Appleとは良好な関係を築いています。
 
以前TSMCが最大20%の値上げを各社に通告した際も、Appleに対しては3%にとどまったといわれるほどです。
 
2021年にTSMCが出荷する5nmプロセスで製造されたウェハ数において、Apple向けが53%を占めるといわれるほどTSMCにとってAppleは重要な顧客であり、次世代の3nmにおいてもAppleがTSMCから優先待遇を受けるものと考えられます。
 
TSMCの5nmプロセスで製造されるチップの出荷先企業

QualcommやAMDは割を食ってSamsungの3nmプロセスを利用?

このために割を食う可能性があるのが、スマートフォン向けシステム・オン・チップ(SoC)大手のQualcommや、PC向けCPU/GPU大手のAMDです。
 
TSMCはすでにAppleが注文した大量の3nmプロセスチップを製造するための能力を確保しているといわれており、QualcommやAMDのニーズを満たすだけの製造能力が残っているかという点が問題となります。
 
AppleだけではなくIntelもTSMCの3nmプロセスを利用するといわれており、残りの小さなパイの奪い合いになりそうです。
 
現在5nmプロセスでチップを製造できるファウンドリはTSMCとSamsungのみであり、3nmにおいてもこれらの企業が先行することでしょう。
 
このため、TSMCの3nmプロセスを確保できなかった企業は、Samsungを使わざるを得ない状況となります。
 
4nmプロセスにおいては、TSMCで製造されるMediaTekのDimensity 9000は消費電力が低いといわれ、Samsungで製造されるQualcommのSnapdragon 8 gen1は発熱の問題があるといわれています。
 
一方、TSMCは3nmプロセスの立ち上げに苦労しているという情報もあり、結果的にSamsungを選んだ方が正解だったということもあり得るかもしれません。

 
 
Source: PhoneArena
(ハウザー)


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