エッジコンピューティングとAIを活用した病院での実証実験。容体悪化の早期発見手法確立へ

このたび株式会社T-ICUと西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)が、「遠隔医療におけるエッジコンピューティング技術を活用した情報処理の実現方式」に関して共同実験を開始しました。

本取り組みの成果を生かし、地域医療の人材不足などの課題解決を目指すとのことです。

離れた場所からも手厚い医療ケアを

T-ICU社は2016年の創業以来、集中治療における診療支援システムを提供してきました。

そのなかのひとつ、遠隔モニタリングシステム「クロスバイ」は、ベッドサイドに配置した高性能カメラによって遠隔での患者観察が可能になるシステム。これによって、多面的な患者情報を院内の離れた場所へ届けることができます。

しかし、医療現場では集中治療医が不在となる夜間などの時間帯をどうするか、という問題があり、集中治療医・集中ケア認定看護師のチームを擁する同社に、遠隔モニタリングとアドバイスの提供を求める声があったとのこと。

これを実現するには、モニタリングの際に発生するデータを低遅延かつセキュアに処理することが必要となるため、NTT西日本との共同実験を開始することになりました。

2社が合同でモニタリングの最適化を目指す

今回の実験では、病院からNTT西日本の閉域ネットワークを介してサーバーが設置されているエッジコンピューティング拠点まで映像を転送。T-ICUの技術でその情報処理を行い、モニタリングセンタからの医師・看護師らによる遠隔モニタリングを実現します。

この実験では、「高品質な映像が転送できるか」「容態悪化の兆候をAIが推論できるか」といったことに加え、エッジコンピューティング技術に必要とされる要件についても評価されるようです。

T-ICU社は今回の取り組みを通して、今後遠隔医療を提供する際に必要となる要件や技術課題を把握することを目指す、としています。

PR TIMES

(文・川合裕之)


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