Microsoftは、中国政府が支援するハッキンググループが米国を含む29カ国の組織を標的にしていた多数のウェブサイトを掌握した。
MicrosoftのDigital Crimes Unit(DCI)の米国時間12月6日の発表によると、バージニア州にある連邦裁判所の許可により同社は、ウェブサイトのコントロールを奪いトラフィックをMicrosoftのサーバーへリダイレクトすることを認められた。同社によると、これらの悪質なウェブサイトは、国をスポンサーとするNickel(APT15)と呼ばれるハッキンググループが使用して、各国の政府機関やシンクタンク、人権団体などから情報を収集していたという。
MicrosoftはNickelのターゲットの名前を挙げていないが、同グループが米国とその他28カ国の組織を標的としていたという。。また「Nickelのターゲットと中国の地政学的関心の間に関連があることが多かった」とのこと。
2016年からNickelを追っていたMicrosoftはこの前の報告書で同グループを、政府機関を狙う「もっとも活発な」ハッキンググループと呼び、侵入と監視とデータの窃盗を可能とする検出困難なマルウェアをインストールする「高度に洗練された」攻撃を観察したという。ときには、Nickelの攻撃を利用してサードパーティの仮想プライベートネットワーク(VPN)の提供企業を侵害したり、スピアフィッシング作戦で認証情報を取られたこともあるとMicrosoftは述べた。さらに他のケースでは、Microsoft自身のExchange ServerやSharePointシステムの脆弱性を利用して企業への侵入が行われた。ただしMicrosoftの話では「これらの攻撃の一環としてMicrosoft製品の新たな脆弱性が見つかったことはない」とのことだ。
Microsoftのカスタマー・セキュリティ&トラスト副社長であるTom Burt(トム・バート)氏は次のように述べている。「悪質なウェブサイトのコントロールを掌握し、それらのサイトからのトラフィックをMicrosoftの安全なサーバーにリダイレクトすることにより、既存および今後の被害者を保護し、また同時に、Nickelの活動について詳しく知ることができます。私たちの妨害行為でNickelの今後の他のハッキング行為を防ぐことはできませんが、この集団が最近の一連の攻撃で依存していたインフラストラクチャの重要な部分を取り除いたと信じています」。
Nickelが標的とした組織は米国以外ではアルゼンチン、バルバドス、ボスニアとヘルツェゴビナ、ブラジル、ブルガリア、チリ、コロンビア、クロアチア、チェコ共和国、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、フランス、ホンジュラス、ハンガリー、イタリア、ジャマイカ、マリ、メキシコ、モンテネグロ、パナマ、ペルー、ポルトガル、スイス、トリニダード・トバゴ、英国そしてベネズエラといった国のものだ。
Microsoftによると、同社のDigital Crimes Unitは、24の訴訟を通じて、サイバー犯罪者たちが使っていた1万ほどの悪質なウェブサイトと、国民国家の関係者たちのおよそ600のウェブサイトを打倒した。そして2021年初めには、62カ国の被害者を偽メールで攻撃した大規模なサイバー攻撃で利用された悪質なウェブドメインを掌握している。
画像クレジット:ilkaydede / Getty Images(Image has been modified)
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(文:Carly Page、翻訳:Hiroshi Iwatani)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/12/07/2021-12-06-microsoft-seizes-control-of-websites-used-by-china-backed-hackers/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Carly Page,Hiroshi Iwatani
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