ドイツ・ベルリン拠点のeスクーター(電動キックボード)会社でヨーロッパ全域で急速に拡大しているTier(ティア)は、Wind Mobility(ウィンド・モビリティ)のイタリア子会社、Vento Mobility(ベント・モビリティ)を買収した。
Tierは2021年11月、ドイツの自転車シェアリングプラットフォームNextbikeを買収したばかりであり、サービスの多様化を図り、マイクロモビリティ帝国の足場をさらに固めようとしている。創業以来Tierは製品戦略、デザイン、経営、エンジニアリング、試験、品質管理、教育、サポート、スタッフ支援などのデジタルサービスを提供するMakery(メーカリー)や、バッテリー交換のスタートアップ、Pushme(プッシュミー)も買収している。
関連記事
・電動キックスクーター独TierがNextbikeを買収、マイクロモビリティ業界統一を予見させる大型買収
・ロシアの大手Yandexがシェア型eスクーターWindのテルアビブ事業を買収、イスラエルでの事業を拡大
一方、Windの側を見ると、最近イスラエルの事業をロシアのテック大手Yandex(ヤンデックス)に売却しており、避けられない業界統合にWindが徐々に屈服していると見ることもできる。同社はこれまでに計7200万ドル(約81億8000万円)を調達しており、最後の調達ラウンドは2019年のシリーズAだった。ちなみに、Tierは10月にシリーズDラウンドの一部として2億ドル(約227億4000万円)を調達し、調達総額を6億4700万ドル(約735億8000万円)とした。
Windは今後の戦略に関するTechCrunchの追加質問に答えなかった。
米国時間12月14日、Tierの最初の電動キックボードがバリとパレルモで利用できるようになり、今後数日数週間のうちにイタリアの他の都市も続く予定だ。Tierはすでに18カ国165都市で運用中で、同社の電動キックボードは組み込みヘルメット、ハンドルバーとリアウィングの方向指示器、大型前輪ホイールとトリプル・ブレーキなどを備えている。
Windはイタリアの11都市で4500台の電動キックボードを展開していた。Tierによると、同社はWindの車両を置き換えるのではなく、自社の電動キックボードを投入するつもりだと語ったが、既存の車両をどうするかについての質問には答えなかった。Tierは、Windの現地スタッフを引き継ぐことは明言した。
画像クレジット:Tier Mobility
[原文へ]
(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook )
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/12/15/2021-12-14-e-scooter-company-tier-acquires-wind-mobilitys-italian-subsidiary/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Rebecca Bellan,Nobuo Takahashi
Amazonベストセラー
Now loading...